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【覚醒】「農協の司令塔」忘れずに2017年4月24日

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K・F

一社全中

 JA全中は、一般社団法人に移行した後の(あるべき姿)をまとめました。「JAグループの代表・総合調整機能を向上させ、JA改革を支援する他、農業者の代表として国政への意思反映を担うことなどを基本概念とする。全中に代わってJAの会計監査を担当する新たな監査法人は2017年度中に設立する予定」(平成29年3月27日付け日本農業新聞・原文のまま)
 以上が、組織協議を経て3月の全中総会で報告された一社全中の姿です「平成31年9月末までに一般社団法人に組織変更」―これは、新聞の見出しであり、あるべき姿についての報告書は別途あります。だが、この報告書を見て、多くの人は大いなる疑問・違和感を持つのではないでしょうか。ちょっと考えただけでも、全中はいつから農業者の代表団体になったのでしょうか、総合調整機能とはいったい何を意味するのでしょうか。教育がしっかり位置付けられていないのはどうしたことでしょうか。
 総じて、全中はいつから農協という組織の業界団体の代表という意識に変わってしまったのかという印象を強く受けます。これでは、全中の機能は大幅に縮小され、会費を徴収することは極めて困難になるでしょう。JA経営の困難性が進むなか、会員になるJAの皆さんがスリム化を求めてくることは必定です。
 平成26年6月の政府による「規制改革実施計画」の閣議決定以来、今次農協改革の最大の目玉となった中央会の制度改革は急ピッチで行われました。26年の秋には農水省事務次官から万歳全中会長(当時)に全中監査の廃止が通告され、27年2月には、中央会制度の廃止か准組合員の事業利用規制かの二者択一の選択を迫られ、全中会長は中央会制度の廃止を飲まざるを得ない状況に追い込まれました。
 このことで、26年6月からの農協法改正の基本問題は決着がつけられ、農協のあり方として、総合農協がいいのかそれとも専門農協に衣替えすべきかという最大の争点については、ほとんど議論されることなく、政府原案通り法改正が行われました。改正農協法では、一社全中は、附則で「社員である組合の意見を代表すること又は社員である組合相互間の総合調整を行うことを主たる目的とする」組織と規定されました。
 この規定を見る限り、一社全中は「組合」の代表組織なのですが、前述の一社全中の基本概念では、あわせて「農業者」の代表とされているのはどのような事情によるものでしょうか。
 ともあれ、今回の法改正で、予約注文や無条件委託販売などを内容とする「整促7原則」とともに、戦後70年のJA運動を支えてきた中央会制度は、農協法73条(中央会規定)の「削除」というたった2文字で、無慈悲に葬り去られました。これから一社全中のあり方の検討が求められていますが、検討に当たっては、これまでの中央会制度が求めてきた意味を十分に検証しておくことが重要です。
 中央会制度は、農協の都道府県中央会・全国中央会への当然加入や賦課金徴収権の規定など、オール農協の指導機関として特異ともいえる強力な仕組みを持っていました。しかし、注目すべきは、中央会事業として監査、経営、教育、情報の提供(広報)が規定されていることでした。このうち監査は、産業組合時代に発足し、他の事業とは独自に発展してきた事業でした。
 そこで、経営、教育、広報についてみると、なぜこの事業が中央会事業として規定されたのか、先人の知恵に改めて驚かされます。とくに、経営と教育については、協同組合にとって決定的に重要な意味を持っています。協同組合が会社組織と存在を分けるのは、協同組合理念が会社と違うというよりは、組織の運営方法、つまりマネジメントの方法が会社組織と違う点にあるからです。
 したがって、ここでいう経営とは協同組合という組織の経営をしっかり経営していくことは当然として、協同組合らしい経営はどのようなものかを常に実践を通じて研究していくことを意味しています。そして、こうした活動は教育活動とともに行われます。また、広報活動はその成果を内外に明らかにして行くために行われます。つまり、旧農協法73条の中央会制度の規定は、協同組合原則とは、協同組合運動の思想信条を表すものであると同時に、協同組合の運営方法を明記したものであることを正確にとらえたものだったのです。
 こうした認識に立てば、中央会が行う経営指導事業は、単なるコンサルタント業務などに矮小化されるものではありませんし、奥原事務次官がJAの経営指導は、経営の実務を行う農林中金が行うのが筋であり、JA経営の実務に携わらない全中に経営指導などできるわけがないなどと言い張ることはいかに見当違いのものであるかが分かります。
 まして、農水省の意向におもねって、教育の二文字を一社全中のあり方から外すことなどは、協同組合運動の自殺行為といっていいでしょう。今回の法改正で教育の文字を消し、経営指導を農林中金に移すという農水省の考えは、JAを協同組合でなくするという明確な意図を持っているものであることをはっきり認識しておくことが重要です。

◇   ◆

 以上のことから、法改正に伴う一社全中のあり方検討の最大のポイントは、先人の知恵を深く理解して、一社全中が引き続き協同組合運動の司令塔としてその役割を発揮していくのか、それともその誇りを捨てて、単なるJAという業界の利益代表団体に成り下がるのかにあります。いくら一社全中がJAグループの代表・調整機能を果たすといっても問題はその内容であり、まずは基本認識の確立が求められています。
 今後、中央会の体制整備については、JAや都道府県中央会の意見を基に議論されることになりますが、今後のJA運動の帰趨を決めるものとして、真剣な議論が期待されます。

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