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シリーズ:新世紀JA研究会 課題別セミナー

2017.06.13 
直接・買取販売へ 不退転の決意で【JA全農米穀部次長 栗原 竜也氏】一覧へ

【全農米穀事業の今後の展開】

 第7回の「危機突破・課題別セミナー」(4月21日)におけるJA全農米穀部・栗原竜也次長の、JA全農の米販売についての報告を掲載します(掲載が遅れたことをお詫びいたします)。

全農の米穀事業は、これまでの「誰かに売ってもらう」から、今後は「自ら売る」へ転換します。

◆とりまく情勢

(1)米流通制度
【JA全農米穀部次長 栗原 竜也氏】 国の米制度が、食糧管理法から平成7年の食糧法を経て、平成16年から改正食糧法となり、米の流通が自由化され10年以上が経過しました。様々な流通ルートが形成された現在においても、全農は食糧管理法時代の流通体系を基本に米穀事業を行ってきました。具体的には、全農はJA(経済連)から委託を受け、米穀卸売業者へ玄米を販売するだけで、その先の実需者には米穀卸売業者が精米を販売するという役割分担を頑なに守ってきました。


(2)生産・消費
 しかしながら、その間、米を取り巻く環境は変化し、生産現場では農業就業人口が平成17年の340万人から平成27年には210万人にまで減少し、かつ75歳以上の比率が25%から32%に上昇しました。
 一方、米の消費量は人口減少や少子高齢化などにより年々減少し、国民一人当たり年間消費量はピーク時の半分以下の55kgとなってしまいました。また、消費構造は女性の社会進出や食生活の変化などにより、家庭用から業務用(中食・外食)にシフトし、業務用の比率は平成13年の33%から26年には41%まで拡大しました。

(3)農林水産業・地域の活 力創造プラン
 こうした環境変化のなか、昨年11月下旬に、与党が「農業競争力強化プログラム」を決定し、これを受けて政府が「農林水産業・地域の活力創造プラン」を改訂しました。
 このなかで、全農は農業者のために、(1)実需者・消費者へ農産物を安定的に直接販売することが基本、(2)実需者・消費者への安定した販売ルートを確立している流通関連企業への出資等を戦略的に推進、(3)安定的な取引先の確保を通じた委託販売から買取販売への転換、などが織り込まれました。

◆米事業改革

 こうした情勢に対応して、全農は3月の臨時総代会で"「農林水産業・地域の活力創造プラン」に係る本会の対応"を決定し、そのなかで今後の米穀事業改革について整理しました。

(1)米事業改革の柱
 整理した内容の柱は2つあります。
 今後の米穀事業は、マーケットインにもとづく生産から販売まで一貫した系統バリューチェーンの構築を軸として、1つは、これまでの米穀卸売業者への玄米販売中心の事業から実需者への精米での直接販売を主体とした事業方式へ抜本的に転換するということです。
 もう1つは、生産者手取りの早期確定や、価格変動リスクを生産者から遮断し全農がリスクを負うことを目的に、生産者・JAの理解を得つつ買取販売を段階的に拡大するということです。
 36年度までに、全農の主食うるち米取扱数量(現在250万t程度)のうち、実需者への精米直接販売を90%まで拡大、買取販売を70%まで拡大することを目指します。

(2)実需者直接販売の拡大
 実需者への精米直接販売は、3つの流通ルート(1)全農による直接販売、(2)パールライス会社経由の販売、(3)実需者への安定販路を確立している米穀卸売業者経由の販売を活用しつつ、実需者推進チームを設置し、全農自らが実需者と直接商談を実施していきます。
 その際、実需者ニーズをしっかりと確認するとともに、積極的に複数年契約や多収性品種の取扱拡大をすすめ、その内容をふまえ生産者・JAに対し実需者ニーズに応じた作付提案や契約栽培等の取り組みを拡大し、生産者から実需者までのバリューチェーンを構築していきます。
 また、精米直接販売の拡大に資する主要実需者・米穀卸売業者等への出資・業務提携をすすめていきます。

(3)買取販売の段階的拡大
 買取販売は、実需者を含めた3者契約・4者契約の拡大や、播種前契約・複数年契約の拡大にあわせ、全農がJAから買取ることを基本に、3つの手法(1)出来秋一括買取方式、(2)都度買取方式、(3)県域共計等からの買取方式(出来秋時には一旦共計米として委託を受け、需給と販売が見通せた段階(例えば年明け以降)に共計から買取り)により、段階的に拡大していきます。

◆水田営農の維持発展にむけて

 最後になりますが、JAグループの一員である全農は、地域水田農業の維持・発展のために、今後とも生産者の手取り最大化をはかり生産者が安心して水田営農が継続できるよう、今回整理した内容にもとづき、不退転の決意で米穀事業の展開をはかっていきます。生産者・JAから支持され、かけがえのない存在(代わりのきかない存在)であり続けるためにも。

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