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シリーズ:新世紀JA研究会 課題別セミナー

2017.12.20 
【意見交換】代理店化するJAは全面支援一覧へ

・フィンテック時代に備えを
・貯金保険機構掛金の凍結を
・全体討議 組合員調査に疑義

◆農林中金(広岡部長)との質疑

JAなごや
 貸出金の代理店手数料については、住宅ローン・事業性資金など資金ごとに設定されると聞いているが、調達側の貯金のコストを差し引いて貸出利鞘を計算することでよいか。

 

農林中金(広岡部長)
 その通り。貯金の代理店手数料は、貯金全体に対して支払うが、これが信連の調達コストとなる。貸出金の代理店手数料は、当該調達コストを差し引いた貸出利鞘に対して、資金ごとに配分割合を決めて支払うという考え方を、お示ししている。

 

JA世田谷目黒(臼井顧問)
 「代理店においては延滞債権の管理・回収は認められていません」となっているが、いわゆる不良債権について債権評価して連合会に持ち上げるということでよいのか。

 

農林中金(広岡部長)
 ご質問は不良債権をJA側に残すのか連合会に譲渡するのかということだと思うが、貸出金はすべて連合会側に譲渡するというのが原則である。なぜそのようになっているかについては、銀行代理業と代理店の規制は横並びとなっており、代理店側に不良債権を残すと利益相反が起きかねないという問題がある。例えば、連合会側の代理店勘定でお金を貸して自分の不良債権を回収する、ということが起きないようにする趣旨、とご理解いただければよい。

 

JA世田谷目黒(臼井顧問)
 規格化した貸付商品以外については、代理店で取り扱いできないため、連合会が対応すると聞くが、連合会は組合員に対して、(代理店化する前の)JAのように柔軟な資金対応が可能か。

 

農林中金(広岡部長)
 今ここで一概には言えない。代理店スキームをつくりあげていく中で連合会との間でどのようにするかを協議することになる。

 

JA世田谷目黒(床爪相談役)
 代理店になった場合、JAの組合員は信連の孫会員として取引を行うことになっているが、この場合、准組合員の事業利用規制の対象になるのか。

 

農林中金(広岡部長)
 そこに関しては、見解がないので何とも言えない。事業利用規制は今後検討するとなっているが、それ以上のことは出ていない。信連の孫会員を正組合員、准組合員で分けるかどうかについても、規定も考え方も出ていないので何とも言えない。

 

JA世田谷目黒(床爪相談役)
 それと孫会員は印紙税の対象になるのか。最後に、農林中金はJAを代理店にしたいのか、させたくないのかどちらなのか。また、総合事業としてやっていくことについてどうか。

 

農林中金(広岡部長)
 印紙税については対象外として整理していると思うが、別途確認をさせてもらいたい。代理店についてはあくまでJAの選択であり、選択をするということになれば全力でサポートさせて頂く。また、金融機関として求められる様々な規制に対応して、必要な体制を構築する必要あるが、総合事業という判断は普通にあると思う。

 

白石
 スキームの説明にある営農経済事業の中に、営農指導の概念は入るのか。

 

農林中金(広岡部長)
 このような表現になっているが、当然営農指導もこの中に入る。

 

福間(新世紀JA研究会)
 代理店手数料は必要なJAにはすべて提示されているのか。その場合、代理店手数料は現行の信連からの奨励金の水準とくらべてほとんどの場合下回ることになっているのか、実情をお聞きしたい。

 

農林中金(広岡部長)
 代理店手数料を含むスキームに全体についての説明は、信連を通じて概ね終わっている。代理店手数料については、代理店が取り扱う貯金・貸出金等によって得られる収益から、連合会が負担する管理コストを差し引いた後の水準で支払うという考えであり、表面レートは下がるということになる。

 

◆全体討議 組合員調査に疑義

JA全中(田村教育課長)
 准組利用制限や代理店化で営農経済事業に注力できるのかについて反論が必要だ。営農指導経費の多くは信用・共済の収益で補填されており、代理店ではリスクのある営農貸し出しはできないし、営農経済事業の大規模投資は借入れが必要になる。准組合員あっての農業振興という声もずいぶん聞いている。一方で、自己改革が本当にできているのか。肥料・農薬の価格を下げたがそれは信用・共済収益からの付け替えという声も聞く。これは伝票一枚の操作だ。本質的には組合員にJAをもっと理解してもらう取り組みも必要だ。
 1000万人組合員調査について、やるべきでないという意見がある。組合員がJA改革を理解することが必要で、そのための手段、組合員教育の一環としてやることが重要だと思う。

 

JAはだの(三瓶改革推進室長)
 今なぜアンケートなのか。当JAでは日常的に組合員の意見は聞いている。いまさらなぜ全農協で強制的にやるのか理解できない。まして、平成31年は信連の奨励金も減額が予想されるし、赤字発生が多くのJAで懸念されている。そんな中でアンケートの残業代は誰が払うのか。
 このことについて農水省にも意見を聞いたが、勝手におやりになればいいでしょう、われわれはJAと認定農業者の意見の両方の意見を聞いている。また正組合員と准組合員の意見も聞いて判断していく。かえって自分の首を絞めるようにならなければいいのですが、ということだった。以上のようなことから、少なくとも、アンケートの実施は強制的ではなく、JAの自主判断にしてもらいたい。

 

JA全中(田村教育課長)
 私としては、やるべきと思う。農水省のアンケートは極めて恣意的なものだ。われわれもそれに対抗する必要がある。組合員の学習活動と位置付け、アンケートについてよい結果を出していきたい。

 

福間(新世紀JA研究会)
 信連からの奨励金は現在でも必要なコストを引いてJAに支払われている。信連の代理店になった場合、なぜそれより代理店手数料が低くなるのか、例えば代理店にすれば貯金推進コストにより多くのコストがかかるなどの理由があるのか。
 また、代理店になった場合、JAの組合員は信連の孫会員になるということだが、その場合、正組合員、准組合員という概念はどうなるのか。すでに漁協では事業譲渡が行われているが、どう解釈されているのか。

 

農林中金(広岡部長)
 JAの組合員は、信連の孫会員として、員内取引相手とみなされる。したがって、代理店化後に、組合員がJAに対して新たに出資金が必要になるようなことはない。ただし、准組合員の事業利用規制について組合員の位置づけをどうするかはわからない。
 手数料の問題については、代理店を引き受ける側は、システムやATM、本部経費等を差し引いてJA側に手数料を払う、一方で、代理店になる側はそうしたコストがかからなくなる。したがって、表面上の手数料は下がってもその分コストも引き下げられることになる。新たに何かをするからコストがかかり、代理店手数料が低くなるということではない。

 

JAしまね(萬代前組合長)
 農林中金は代理店方式を推進するのか、あいまいにするのではなくはっきり言ってもらいたい。これまでの理事長等との話し合いでも、自分たちは好んではいないとは、っきり言われている。農林中金として代理店方式を選択肢としてでも推奨するのか、中途半端ではなくはっきり言ってもらいたい。
 農水省に対しては、フィンテック等環境変化があるが、貯金保険機構の掛け金の引き下げをどうするのか、当面のことをやってもらいたい。かたくなに検討を拒否するのはけしからんと思う。またJA側にも問題がある。われわれの力で実現した、先般のJAバンク支援基金に対する掛け金凍結により、JA全体で130億円ものコスト削減効果があったが、そのことを理解している組合長は少ない。
 貯金保険機構の基金については、われわれはJAバンク支援基金を合わせればすでに十分のものを積んでいる。経営が厳しいなかで農業振興経費に充てるためにも、即刻掛け金の引き下げ・凍結を行うべきだ。農林中金も頑張ってもらいたい。3月にも貯保の新しい掛け金が決まる。全国的な運動として展開して行く必要がある。

 

農林中金(広岡部長)
 代理店について曖昧な態度ととられれば本意ではない。われわれは、総合JAが基本と考えている。代理店化はあくまでもJAの自主選択である。貯保については、担当外だが、掛け金の引き下げについて農林中金としても機会をとらえて働きかけていく。

 

JAグリーン近江(岸本理事長)
 アンケートについては三瓶室長と考えが同じで、意味がよくわからない。ただ、JA改革についての組合員への説明は重要と思う。また、自己改革はどこまでやるのか、どこが到達点なのか、ヒントがあればお聞きしたい。

 

JA土浦(池田組合長)
 自己改革については、どこまで体制整備ができるかということだろう。とくに営農経済事業の赤字解消が急務だ。また、信用事業のリスクウェートが引き上げられた場合、自己資本比率にとってマイナスの影響がでる可能性がある。1県1JAの代理店手数料の方が良いと聞いたこともあり、手数料率にはもう少し幅があっても良いのではないかと感じる。

 

JAはだの(三瓶室長)
 反省すべきは反省し、組合員がJAは変わったな、よくやっている、組合員になってよかったということを実感できるようにすることだと思う。

 

JA蒲郡市(壁谷常務)
 わがJAでは、中長期計画について、数値にまで落として取り組んでいる。したがって、職員は自己改革としてどこまでやればいいのか分かっている。しかし、先ほどからの話で、JA全体の話となると単協のレベルではどうにもならない。

 

中原(協同組合懇話会) 
 全体の方向感をどうとらえるかは大切と思う。かつてわれわれが取り組んだ、全国一律の全銀内為制度加入などと違い、自己改革は農協ごと地域ごとに違うので、着地点はそれぞれ違うと思う。アンケートは全中が提案していることなので、議論して早めに結論を出すべきと思う。

 

JAからつ(井本経営管理部長)
 信用事業譲渡について総合JAとしてやっていくことが基本だが、事業利益の赤字が続けばそうはいかない状況も出てくる。奨励金が引き下げられるといわれているが、見通しはどうか。

 

農林中金(広岡)
 金融情勢が厳しくなることは確実だが、担当外のことなのでここで申し上げる材料がない。

 

中原(協同組合懇話会)
 フインテックについての農水省・山田報告に関連して、最近号の「エコノミスト」の論調は、都市銀行が店舗や職員を減らすので、地域密着型の信金や信組はここに活路を見出すべきということのようだが、JAもこれに倣えばいいと考えることは安易に過ぎると思う。JAとしては、これからは、農と食を直結させこれを協同活動で実現して行くことを決意すべきだ。

※このページは新世紀JA研究会の責任で編集しています。

 

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