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JAの活動:日本農業の未来を創る元気な生産者

【特集・日本農業の未来を創る元気な生産者】 最終回 次の高みをめざしていく2013年1月17日

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・がんばっているのは自分一人ではない
・意欲ある生産者を組織化
・やりがいは自分でつくる

 全5回で掲載してきた特集の最終回。これまで元気な3人の若手農業者を紹介してきたが、3者に共通することは、農業を自らの仕事=ビジネスととらえ「高い志」と「熱い心」でどうすれば成功するかを考えながら実行している点だった。

◆がんばっているのは自分一人ではない

「Blue Seeds」イメージキャラクターのまさかり岩男 士別市青年農業者集団「Blue Seeds」のメンバーは「まさかり岩男」を地域の特産品にしたいとは考えているが、自分たちの本業をきちんと行ったうえで、共通の課題として「まさかり岩男」を生産・販売し得た情報をメンバーで共有していく。
 メンバーは本業ではJA組合員としてJAに出荷しており、JA青年部のメンバーとしても活動しているが、「まさかり岩男」を得たことで、より強い連帯感をもって、農業の基本である種子の交配から生産・加工・販売に取組むことができ「まさかり岩男は、学ぶ最良のツールだ」と沼館さん。これからも自分たちの農業の方向を探り、意識を高めていきたいとも。
 佐藤さんは「頑張っているのは一人ではないことを実感できた」。
 そして「食べ物を作っていることに誇りをもつつことができた」ので、全国の若い農業者に「一緒に誇りを持っていこう」と呼びかけたいとも。

(イラスト)
「Blue Seeds」イメージキャラクターのまさかり岩男

◆意欲ある生産者を組織化

 松本農園の松本武さんはいま1週間ごとに熊本と東京を往復している。なぜかというと、昨年春に「松本農園のように国際的な競合と積極的に戦える農業者を育成し、それをフランチャイズ化する新しい農業ベンチャー」として(株)ファームアライアンスマネジメントを東京に立上げその代表取締役となったからだ。
 会社設立の主旨は、グローバルGAPの認証を取得したいので教えてという要望が松本農園に寄せられるが、それは松本農園の本来の仕事ではないので、別会社化して事業意欲のある農業生産者が世界のマーケットに進出することを手助けしたり、収益性をあげるために、いち早くクラウドコンピュータ化した生産情報管理システム「畑が見える農園」を提供することで経営効率を高めること。そうした生産者をフランチャイズ化してより機動的な連合体(アライアンス)をつくり参加者の農産物販売を有利に促進していこうということだ。
 松本農園で生産する農産物の主力はニンジン 武さんによればグローバルGAPの認証取得は難しいと日本ではいわれているが、グローバルGAPの主旨を理解して「そのルールのポイントがどこにあるかが分かれば、それほど難しいものではない」。実際にフランチャイズに参加を希望してきた農業法人は「3カ月で認証取得の申請をし、ほぼ間違いなく近々には認証を取得できる見込み」だ。
 民間上場企業で武さんが経験し学んできたことが、いま農業分野での新しい方向として第一歩を歩みだしたといえる。

(写真)
松本農園で生産する農産物の主力はニンジン

◆やりがいは自分でつくる

 新潟の曽我さんも昨年春に、株式会社として法人化した。その理由は、今後さらに、耕作放棄地などを借りてハウスを建て、贈答用トマトジュース用のトマトなどに生産規模を拡大したいからだ。雪の多い新潟の場合、太平洋岸地域のように、2?3つのハウスをつなげてつくると、屋根のつなぎ目のV字に雪がたまりハウスそのものを壊してしまうので、「連棟ハウス」をつくれず、建設費や暖房などの管理に経費がかさむ。さらにこの春には、JA全農などが共同開発した園芸用「農業ICTクラウドサービス」を導入し、生産工程の改善に取り組むことにしている。
曽我農園を代表する「金筋トマト」 これらを実現していくには資金が必要だが、個人経営では調達が難しいので株式会社にしたのだという。
 農業を継ぐかどうか悩んだ時期もあったがいま曽我さんは「やりがいは自分でつくるもの」だと考えられるようになったという。そして規模を拡大することは地域の雇用を創出することでもあるが、34歳の若い社長は、自分よりも若い人たちに「農業はかっこいいなと思ってくれるようにしたい」という。
農業を自らのビジネスとして
 グローバルGAP認証取得といち早くクラウドコンピュータ化した生産情報管理システムを武器に、熊本を飛び出し、世界を視野に入れた元気な生産者の組織化をめざす松本武さん。
 日本でも有数の米どころ新潟で、高級トマトをブランド化して、さらに耕作放棄地などを集約して規模拡大をはかるとともに、地域に多数ある福祉施設と連携して「農業が地域コミュニティをつくる」ことをめざす曽我新一さん。
 北の大地で稲作や小麦・大豆あるいはタマネギや馬鈴薯などの畑作農業を経営者や後継者として営む20歳代から30歳代の若者13人が集まり、いまは幻となっている「まさかりかぼちゃ」を復活し、地域の特産品化に取組んでいる「Blue Seeds」。彼らは、この取組みを通して改めて、種子から生産・加工・販売まで、農業のあり方を学んできた。
 一見、三者三様にみえる農業への取組みだが、共通しているのは、農業を自らの仕事=ビジネスとし、どうすれば成功するか考え実行していることだ。
 彼らは、ビジネスとしての農業を実現するために、「高い志」を持ち、それを実現しようとする熱い心を持っている。祖父や父親など農業の先輩がいるが、かつて俳人松尾芭蕉が「古人の跡を求めず、古人の求めたるところを求めよ」といったように、父親たちを模倣するではなく、その志を継承していることも共通しているといえる。
 そして彼らは思う。国を含めて、とくに園芸農家には「誰も10年後に豊かになるというビジョンを示してくれない」。それなら自ら創りだすしかない、と。

(写真)
曽我農園を代表する「金筋トマト」

(※第1回 ・ 第2回 ・ 第3回 ・ 第4回 はこちら)

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