安倍首相は公約を守れ! 全農協労連などが緊急アピール行動2013年2月22日
日本時間の23日未明に行われる日米首脳会談に向けて安倍首相はTPP(環太平洋連携協定)について「聖域があるかどうか感触を得たうえで判断したい」と交渉参加に前のめりな姿勢を示していることから、全農協労連と全国食健連は2月22日、東京・お茶の水駅前で「TPP交渉参加反対緊急宣伝行動」を行った。
◆5項目はずしが見え見え
参加者は、安倍首相がTPP参加表明をするのではないかと危機感を持ち「居ても立ってもいられない気持ちで全国から集まった」と道行く人にチラシを配りながら訴えた。
チラシでは「安倍内閣が発足して2か月もたたないのにもう公約破りの動きが出てきた」と強調し、自動車分野の数値目標は受けられない、国民皆保険を守るなども含め、6項目を判断基準として公約したにもかかわらず、「聖域(関税ゼロの例外)を設けられる感触を得て判断したと発言。他の5項目は判断基準からはずそうという狙いがみえみえだ」と批判した。
新潟からの参加者は「県内では離農する米農家も多くなっている。作るのに1俵1万6000円かかるが実際はこれを下回る価格で販売されているから。一方で日本は世界の食料を買い占めているが、栄養不足人口は世界で8億人。日本で作れるものは日本で作るのがいちばんの国際貢献。農業は国土を守る機能もある。TPP参加で壊してはなりません」などと訴えた。
北海道からの参加者は「食は命を育むもの。自国の食料は自国で、という世界の常識がこの国では通らないのか。日本のあり方をすべて変えてしまう自由化はやりすぎだ。(TPPについての自民党の)公約がどうされようとしているのか、しっかり考えてほしい」と話したほか、岩手県からの参加者は「TPP参加は復興の努力を妨げる」、長野県からの参加者は「農業と工業の対立は間違い。それぞれの国の特徴をとりはらいアメリカ基準にしてしまうのがTPP」と強調していた。
◆“医療が心配”と署名する人も
街頭では署名活動も。署名をした会社員の男性は「仕事は医療関係。TPPに参加すれば混合診療の拡大で日本の医療制度が崩されると思っています」と話した。
また、年配の男性は「ただでさえ食料自給率が低いのに、参加してしまえば安い輸入品でもっと第一産業がだめになる。農業を守らなければというチラシを読んで署名しました」と語った。
賛成か、反対かのシール貼りでは「食の安全が心配」と反対欄にシールを貼る女性もいた。
(写真)TPP参加には「反対」にシールを貼る女性
(関連記事)
・BSEで日本、「無視できるリスクの国」と評価 OIEの専門家会合 (2013.02.22)
・「関税の例外」への矮小化は容認できない TPPを慎重に考える会が「断固反対」決議 (2013.02.21)
・「国のかたち一変させる」TPP交渉参加参加断固阻止 JA全中・萬歳会長が声明 (2013.02.21)
・6項目遵守を明記 自民党調査会のTPP基本方針 (2013.02.15)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(90)みどりの食料システム戦略 現在の技術で実現可能でしょ(4)2024年4月20日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(7)【防除学習帖】 第246回2024年4月20日
-
土壌診断の基礎知識(16)【今さら聞けない営農情報】第246回2024年4月20日
-
地域複合農業戦略に挑む(2)JA秋田中央会会長 小松忠彦氏【未来視座 JAトップインタビュー】2024年4月19日
-
農基法改正案が衆院を通過 賛成多数で可決2024年4月19日
-
【注意報】さとうきびにメイチュウ類 伊是名島で発生多発のおそれ 沖縄県2024年4月19日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:JA水戸 那珂川低温倉庫(茨城県) 温湿度・穀温 適正化徹底2024年4月19日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ対策を万全に 農業倉庫基金理事長 長瀬仁人氏2024年4月19日
-
食農教育補助教材を市内小学校へ贈呈 JA鶴岡とJA庄内たがわ2024年4月19日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第97回2024年4月19日
-
(380)震災時は5歳【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年4月19日
-
【JA人事】JA道北なよろ(北海道)村上清組合長を再任(4月12日)2024年4月19日
-
地拵え作業を遠隔操作「ラジコン式地拵機」レンタル開始 アクティオ2024年4月19日
-
協同組合のアイデンティティ 再確認 日本文化厚生連24年度事業計画2024年4月19日
-
料理酒「CS-4T」に含まれる成分が代替肉など食品の不快臭を改善 特許取得 白鶴酒造2024年4月19日
-
やきいもの聖地・らぽっぽファームで「GWやきいも工場祭2024」開催2024年4月19日
-
『ニッポンエール』グミシリーズから「広島県産世羅なしグミ」新発売 JA全農2024年4月19日
-
「パルシステムでんき」新規受付を再開 市場の影響を受けにくい再エネ調達力を強化2024年4月19日
-
養分欠乏下で高い生産性 陸稲品種 マダガスカルで「Mavitrika」開発 国際農研2024年4月19日
-
福島県産ブランド豚「麓山高原豚」使用『喜多方ラーメンバーガー』新発売 JAタウン2024年4月19日