7機能に分けて森林整備・保全 全国森林計画2013年10月16日
全国森林計画が10月4日に閣議決定された。全国森林計画は、15年を1期として5年ごとに見直す制度で、今回の計画は平成26年4月1日から平成41年3月31日までの期間の計画だ。
◆自然条件にあった森林施業を重視
全国森林計画は、森林の多面的機能の持続的発揮がはかられるよう、計画的に森林を整備・保全することによって、望ましい森林の姿をめざすとしている。そのため、森林の整備・保全の目標、森林施業、林道の開設、森林の土地の保全、保安林施設の整備などを明示している。計画の策定に当たっては、水系などの自然的条件を基本に、森林資源の類似性などを勘案して、全国44の広域流域を定め、その広域流域ごとに森林の整備・保全の目標を定めている。
その際、それぞれの自然条件に適応した森林施業を重視している。
たとえば、北海道では天然力を活用して大径木の生産を目標に育成複層林に誘導する。雪は少ないが涼冷な本州東北の太平洋岸では、育成単層林の除伐、間伐を行って健全な森林の育成を進める。
また、コナラなど広葉樹が多い広域流域ではシイタケ原木の生産を目標とする育成単層林へ誘導・維持する。
◆育成複層林75万ha増やす
東日本大震災の被災地では、海岸部の保安林の再生、山腹崩壊などの復旧を促進する。さらに豪雪地帯の山地災害防止機能の維持増進。糸魚川~静岡構造線沿いや中央構造線沿いの破砕帯の分布など、流域の特性に応じた治山施設を整備する。
降水量の少ない広域流域では、天然力の活用を主体とした森林生産力を維持するため林地の改良、広葉樹の導入などを進め、山火事の防止にも努めることにしている。
温暖で降雨量も多くスギ、ヒノキの育成単層林を維持する南四国や九州では、間伐、的確な更新など長伐期化を計画的に進めるなどとしている。
森林の整備・保全の基本方針は、[1]水源涵養機能[2]山地災害防止機能・土壌保全機能[3]快適環境機能[4]保険・レクリエーション機能[5]文化機能[6]生物多様性保全機能[7]木材など生産機能の7つに区分して、それぞれに適応した整備・保全が図られるが、各地の気象条件、土壌条件、樹種などの特性に応じて適切な施業が行われる。
森林の整備・保全の目標は、▽育成単層林1006万ha(現況の1028万5000haから22万5000ha減)▽育成複層林175万9000ha(同100万9000haから75万ha増)▽天然生林1326万3000ha(同1378万8000haから52万5000ha減)、となっている。
伐採立木在籍の計画量は▽主伐3億6184万立方m▽間伐4億3777万立方m▽総数7億9961立方m、となっている。
(関連記事)
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