日本の農協に支援と連帯 海外からのメッセージ2014年7月30日
政府の規制改革会議が農協改革に関する同会議農業WGの『意見』を正式に了承した5月22日以降、世界の協同組合や農業団体から批判の声があがり、ICA(国際協同組合同盟)をはじめ多くの組織がJA全中あてに支援メッセージを送ってきている。寄せられた声明や書簡は10通以上ある。
国際協同組合同盟(ICA)は6月1日にウェブサイトに声明を発表。
規制改革会議の農協改革案について
▽総合農協の解体
▽非組合員理事の登用
▽中央会の廃止
などを指摘し、ポーリン・グリーン会長は「組合員による所有と管理という、協同組合のもっとも基本的な原則を明確に攻撃している」と批判、東日本大震災での農協組織の貢献を忘れてはならないと強調したほか、「協同組合の価値や原則を完全に無視するもの」と指摘し、国際家族農業年にこうした「意見」が提起されたことについても「家族農業の価値を認めず企業による農業を促進しようとしている」と強調した。
◆ICA欧州地域
ICA欧州地域会長のディルク・レーンホフは5月22日に全中会長に書簡を寄せた。そのなかで「単位農協を支える強い全国組織の必要性は絶対的に重要であり、農家組合員の意思のもとに置かれなければならない」と強調している。また、欧州でも「協同組合が差別されるという問題に直面」しているほか、政府の干渉もあるといい、ICA欧州地域では4月総会で「制度改革をめぐる攻防のなかにいる会員を支援する動議を可決した」と伝え、日本の協同組合運動に「全面的な連帯を約束」している。
◆国際労働機関(ILO)協同組合部
国際労働機関(ILO)協同組合部も書簡を寄せた(5月28日)。
ILOは「協同組合は世界の女性・男性の生活と仕事の質を向上させることができる重要な存在」、「国や投資家企業からは見向きもされない地域でさえ、大事なインフラやサービスを利用できるようにすることができる重要な存在」と考えていると発信。ILOの活動は2002採択の「協同組合の促進に関する勧告」にしたがって行っており、その勧告は「もっとも重要な原則である組合員による協同組織の民主的運営に言及している」と強調している。
◆世界農業者機構(WFO)
世界農業者機構(WFO)のピーター・ケンドール会長も書簡を寄せた(6月10日)。会長は国際家族農業年の決定は「世界の全農業者の90%が家族農業という事実からもたらされた」と強調し、家族農業モデルが食料安保の確立、栄養問題へ対応、生活向上、資源・環境保全と持続的発展に貢献しているとして「WFOは農協制度を含む日本における農業モデルを支持」すると表明している。そのうえで「成功を収めている現行の農業モデルを維持すること、それらを肯定し発展させる国家政策がもっとも重要」だと強調し、WFOとしての連帯と支援を表明した。
◇
そのほか書簡は以下の組織からも寄せられている。
▽韓国農協中央会会長
▽中華民国農会理事長
▽モンゴル農協中央会副会長
▽インド農民肥料協同組合理事長
▽欧州農業団体連合会(Copa)・農協連合会(Cogeca)
▽中華全国供銷合作総社(ACFSMC)副会長
▽セントロソユーズ(ロシア)会長
▽トルコ全国協同組合中央会(NCUT)会長。
(関連記事)
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