人事2024 左バナー 
左カラム_シリーズ_防除学習帖
左カラム_病害虫情報2021
新聞購読申込 230901
左カラム_コラム_正義派の農政論_pc
左カラム_コラム_米マーケット情報_pc
左カラム_コラム_地方の眼力_pc
左カラム_コラム_食料・農業問題 本質と裏側
左カラム_コラム_昔の農村・今の世の中_pc
左カラム_コラム_花づくり_pc
左カラム_コラム_グローバルとローカル_pc
左カラム_コラム_TPPから見える風景_pc
左カラム_コラム_ムラの角から_pc
左カラム:JCA160_86
ヘッダー:FMC221007SP
日本曹達 231012 PC
FMCセンターSP:ベネビア®OD

【TPP】農林水産物2100億円減2015年12月24日

一覧へ

農水省が試算

 政府は12月24日、TPP(環太平洋連携)協定の経済効果分析を発表した。そのなかで農水省が農林水産分野の影響を試算、生産減少額を約1300~2100億円と見込んだ。農林水産分野で生産額が減少しても、TPP発効で実質GDP水準は2.6%、約14兆円の拡大効果が見込まれると分析した。労働供給は約80万人増と見込まれるという。同日の経済財政諮問会議に報告された。

 政府は25年3月に関税撤廃をした場合の経済効果を発表している。それによるとTPP加入ですべての農林水産物の関税を撤廃した場合、生産額は3兆円減少すると試算していた。
 今回の試算は25年試算と同様、対象品目は関税率10%以上で国内生産額10億円以上の19品目の農産物と14品目の林水産物とした。対象国はTPP参加11か国(米国、豪州、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイ、ペルー、チリ、メキシコ、カナダ)。
 生産額への影響は、11月公表の品目ごとの影響分析と「総合的なTPP関連政策大綱」に基づく政策対応を考慮し、TPP合意内容の最終年での生産額への影響を算出した。
 試算の前提は以下の3点。
(1)内外価格差、品質格差などの観点から品目ごとに輸入品と「競合する部分」と「競合しない部分」に二分。たとえば、豚肉では銘柄豚肉は競合しない部分とし、それ以外を競合する部分とする、などだ。
(2)価格低下については原則として「競合する部分は関税削減相当分の価格低下」とし、「競合しない部分は競合する部分の価格低下率の2分の1の割合で低下」と見込む。価格低下の見込みはこれを下限値とする。
 一方、TPP国内対策によって品質向上や高付加価値化などが進む効果を勘案して、下限値の2分の1の価格低下(低下率)を上限値とした。
(3)国内生産量についてはTPP国内対策の効果を考慮した。

◆牛肉625億円の減少

 農林水産省は試算の結果、関税削減等の影響で価格低下による生産額の減少が生じるものの、体質強化対策による生産コストの低減・品質向上や経営安定対策などの国内対策により「引き続き生産や農家所得が確保され国内生産量が維持されるものと見込む」とした。 試算対象の農産物19品目、林水産物14品目の生産額合計は約6兆8000億円。試算の結果、TPP合意の最終年の生産減少額は約1300~2100億円
と見込んだ。関税削減相当分を反映した試算が2100億円、国内対策の効果をふまえると1300億円になるという。25年試算の3兆円減少より少なくなったのは全品目で関税即時撤廃という合意内容ではないため。
 タリフラインの約3割で関税撤廃する重要5品目の生産減少額は、小麦約62億円、砂糖約52億円、牛肉約311億円~約625億円、豚肉約169億円~約332億円、牛乳乳製品約198億円~約291億円など。 米は国別枠の輸入量に相当する国産米を政府が備蓄米として買い入れることにしているとして、生産量と生産額に影響は見込みがたいとして減少額は0億円と試算した。 食料自給率への影響はほとんどなく、26年度カロリーベース39%、生産額ベース64%がほぼそのまま維持されると見込んだ。カロリーベース自給率に影響する品目は、今回の合意内容では米国・豪州向けに国別枠を設ける「米」のみと農水省は説明する。SBS(売買同時入札)方式で輸入される国別枠の7.8万tについては、米価が低下しないよう同量の国産米を備蓄米として買い入れる。そのため生産量は維持されるが、消費には米国産、豪州産が出回ることになるためカロリーベースの自給率には影響する。ただし、7.8万tは1人1日あたりのカロリーとして算出すると6kcal程度となる。そのためこれを国内生産による供給カロリーから差し引いても小数点以下のわずかな減少のため数値としては39%になるという。生産額ベース自給率も同様に生産額の減少が引き下げに与える影響はわずかで64%の見込みとなったという。 今回の試算では、関税削減にともなう価格低下で生産額は減少するものの、どの品目も生産量は維持されるとの結果だ。

◆対策で再生産を確保 

 これについて農水省は、生産者がTPP対策を活用してコスト削減の努力をしたり、輸入品に対抗できる高品質な作物づくりに転換するような取り組みを進めると同時に、価格低下でコスト割れになったとしても、豚肉や牛肉でのマルキン対策を法制化するなどによって所得が補てんされ再生産が確保されることから、「生産量は維持される」と説明している。

 国内対策を実施しない場合の今回の合意内容に基づく影響試算は行わないという。また、国内生産が維持されることから、今回のTPP合意内容による影響で水田や畑の作付面積の減少や農業の多面的機能の喪失は見込みがたいとしている。

【各品目の生産減少額】※生産量の減少率はどの品目もゼロとしている。
○農産物計で1516億円

米=0億円、小麦=約62億円、大麦=約4億円、砂糖=約52億円、でん粉原料作物=約12億円、牛肉=約311億円~約625億円、豚肉=約169億円~約332億円、牛乳乳製品=約198億円~約291億円、小豆=0億円、いんげん=0億円、落花生=0億円、加工用トマト=約1億円、かんきつ類=約21億円~約42億円、りんご=約3億円~約6億円、パインアップル=0億円、鶏肉=約19億円~約36億円、鶏卵=約26億円~約53億円、農産物計=約878億円~約1516億円

○林水産物計で約566億円

林産物(合板等)=約219億円、あじ=約6億円~約12億円、さば=約6億円~約11億円、いわし=約24億円~約48億円、ほたてがい=約27億円~約54億円、たら=約4億円~約8億円、いか・干しするめ=約10億円~約19億円、かつお・まぐろ類=約57億円~約113億円、さけ・ます類=約40億円~約81億円、林水産物計=約393億円~約566億円

(関連記事)

TPPと畜酪対策でJAグループが政策提案 (2015.12.04)

【TPP】農協研究会がTPPで討論 (15.11.30)

「TPP合意に対する不安と不信を問う」で研究会 農業協同組合研究会 (15.11.12)

【TPP】米国議会の審議は不透明 (15.11.27)

【TPP】農林水産予算は政府全体で責任 (15.11.27)

重要な記事

日本曹達_ナブ乳剤_SP

最新の記事

クミアイ化学右カラムSP

みどり戦略

Z-GIS 右正方形2 SP 230630

注目のテーマ

注目のテーマ

JA共済連:SP

JA人事

JAバンク:SP

注目のタグ

topへ戻る