自民畜産酪農小委 連休前に考え方整理-指定団体制度問題2016年4月6日
自民党の畜産・酪農小委員会は4月6日の会合で、規制改革会議が提言した指定生乳生産者団体制度の廃止などの問題に対して4月中に党としての考えを整理する方針を決めた。
西川公也・農林水産戦略調査会長は「指定団体廃止の文言が出てきているが、どうすれば酪農家が今よりもよくなるかが前提の話でなければならない。そうした共通の目的のもとに議論をしたい」とあいさつ。
小泉進次郎農林部会長は「供給過剰の時代にどう需給調整をして酪農家の経営を安定させるかという歴史的な役割を果たしてきたが、今の時代にこれからの役割は何か、忌憚なく議論する機会だと思う」とあいさつ。
また、乳価についてブロック別のプール乳価を中央酪農会議が3月に明らかにしたが「もっと透明性を持つべきだ」として「引き続き加工用、飲用、別々のものも公表すべきだと話をしている。少しでも酪農家のみなさんに分かりやすく透明性を持ってやっていくことが大事」と強調した。
会合では農水省の今城生産局長が指定団体制度と今回の規制改革会議の提言のポイントを説明。そのなかで3月31日に生乳取引をテーマにした農業WGグループを開催して提言をまとめると知らされたのが2日前であり、指定団体制度の廃止が提言に盛り込まれていることを知らされたのは前日だったことを明らかにした。坂本哲志畜酪小委委員長も前日に規制改革会議農業WGの金丸座長から提言内容を聞かされたという。
これらに対して出席した議員からは「内閣府は何をやっているのか。こんな仕事の仕方はおかしい」、「手続き的にもおかしい。指定団体制度廃止のためのヒアリングはしていない。これでは本人に取材せずに週刊誌の記事を書くようなものだ」、「いつもビーンボールが飛んでくる」との批判のほか、「本当にナンセンス。毎日生産し、腐敗しやすく遠隔地から輸送するなどの特性から指定団体は必要不可欠。TPP大筋合意で不安になっているなか、現場は憤りを感じている」などの批判が相次いだ。
また、EUがクォータ制度を廃止したことで生産過剰となり、廃棄と乳価3割減などの事態に陥っていることを指摘し「悪しき事例として考えなければならない」と強調する意見もあった。
今後の議論については「規制改革会議の事務局も呼んで、どんな議論がされたのか、自民党としてきちんと整理をしていかなればならない」との意見があった。
出席した伊東良孝農林水産副大臣は規制改革会議のヒアリングで現行の指定団体制度に否定的な意見を述べた農協について「きわめて高いハードルの生乳をしっかりつくって乳業メーカーに納めている。指定団体制度に入っていないが十分にやっていけるという自信のある組合長として高く評価する。しかし、一般の酪農家、農協をそのレベルにしなければならないということであるなら別。まったく条件の違う(なかで生産し)指定団体を通して生乳を納めている方々と全部一緒にイコールフッティングという話にはならないのではないかと思う。党としての議論に期待する」など述べた。
議論を受けて坂本委員長は「5月連休前までには自民党としての指定団体に対する考え方をきちんとまとめていきたい。指定団体制度がさらに充実したものになるように(議論)していかなければならないと考えている」と述べた。
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