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2017.08.10 
米の直接支払交付金財源が焦点-30年度農林水産関係予算一覧へ

 農林水産省は8月10日、30年度農林水産予算概算要求の主要事項を自民党の農林関係合同部会で説明した。水田活用の直接支払交付金の十分な確保、法人経営、集落営農など多様な担い手の育成・確保、収入保険制度の実施のための予算などを要求する方針だ。

 農水省は予算の主要事項として7項目を挙げた。このうち「担い手への農地集積・集約化等による構造改革の推進」では、農地中間管理機構による農地集積や大区画化の推進とあわせ、法人、集落営農、新規就農など多様な担い手の育成・確保の予算も要求していくことを明らかにした。
 「水田フル活用と経営所得安定対策の着実な実施」では水田活用の直接支払交付金の十分な確保と水田の畑地化・汎用化の推進のほか、収入保険制度の実施に向けた予算確保も挙げた。
 焦点のひとつが10aあたり7500円の直接支払い交付金が30年度から廃止されることにともなってその財源をどう活用するかだ。自民党は米の生産調整の見直し決定にともなう平成25年11月の与党実務者協議で「30年度からはその財源を多様な担い手の経営対策のさらなる拡充に振り向けることとする」と合意されている。
 この日の会合では10a7500円の直接支払いが中山間地域など条件不利地域の農家や集落営農組織の経営の基礎となっており廃止されることに現場は不安を持っていることや、この直接支払い交付金によって米の過剰作付けが解消してことなどが指摘された。また、飼料用米に対する交付金が大規模水田経営の発展に役立っているとする意見もあった。
 議論のなかで10a7500円の直接支払い交付金を財源(29年度は約700億円)を都道府県への交付金とし需給調整や戦略作物助成、あるいは条件不利地対策など地域事情に合わせて自主的に活用できる予算としてはどうかとの意見が出た。
 その一方、需要に合わせた生産を行っていくためには基盤整備事業の推進が必要だとして農業農村整備事業の予算として活用すべきとの意見もあった。
 農水省は省全体として財源確保をめざし、とくに需給調整によって米価が上昇してきたことをふまえ、3150億円を確保している水田活用交付金については「まだまだ伸ばしていきたい」などとした。飼料用米については基本計画で110万t生産することを目標としており現在50万tの生産量の倍増が必要となる。
 そのほか中山間地の特色を活かした多様な取り組みの支援、鳥獣被害防止対策、インバウンド需要等を農山漁村に呼び込む農泊の推進などを主要事項としている。
 8月末の概算要求に向けて自民党は中旬以降に再び会合を開く。

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