イタリアの産品が初登録-地理的表示(GI)2017年9月19日
農林水産省は9月15日、地理的表示(GI)で新たに3品目を登録した。海外産品で初めてイタリアの「プロシュット ディ パルマ」が登録された。
新たなに登録された「美東ごぼう」はJA山口美祢が登録生産者団体。根の長いごぼうで先端まで肉付きがよく食感が柔らかい。丁寧な出荷作業で香りが損なわれず、品質の良さから市場でも高値で取引されている。
美祢市美東町にある産地は秋吉台の石灰岩が浸食した窪地。粘土質土壌が深く堆積し土が重く硬い。この地形と土壌で肉質がきめ細かく柔らかな食感が生まれる。出荷前に稲わらなどで表面を傷つけず丁寧に泥を落とす「すなでる」は昭和初期から伝統的に行われている手法だという。
徳島県で初の登録となった「木頭ゆず」は半世紀にわたる優良系統選抜によって、果皮が厚く果汁が多く香りがいい。産地の那賀郡那賀町は標高が高く冷涼で果実の色合いがいい。夏季の降雨量は徳島市の2.5倍以上のため、夏の乾燥が原因となる「かいよう性コハン病」の発生が軽減される。旧木頭村では古くから植えられており、昭和35年に大阪市場に出荷したところ高い評価を得て生産が本格化した。登録生産者団体は木頭ゆず振興協議会。
EUでのGI登録品である「プロシュット ディ パルマ」は厳選された豚肉を最小限の塩で1年以上熟成された柔らかく風味豊かな生ハム。生産地はイタリアのエミリア(ロマーニャ州パルマ県内の一部地域)で、同地域はカシ林に覆われた養豚・酪農地域で乳清(ホエイ)をエサとした上質な豚肉が供給可能だという。熟成に適した湿度の高くない地域であることなど生ハムの生産に理想的な地域だという。
これで日本の登録産品は42産品となった。また同日、すでに登録されて十三湖産大和しじみについて、車力漁業協同組合が生産者団体として追加された。
登録証の授与は9月22日(金)から24日(日)まで行われる第2回GI産品フェスティバル開場で期間中に行われる。(9月22日11時~。千葉県・イオンモール幕張新都心1Fグランドコート)
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