米国のコメ生産 1997年以来最低水準-米国農務省2018年1月17日
米国農務省は、1月12日(現地時間)、2017/18年度の世界の穀物・大豆に関する需給見通しを発表した。米国のコメ生産は1997/98以来最低水準となり、前年度比▲20.5%の560万tの見込みとなっている。
世界の穀物全体の生産量は25億6594万tで対前年度比1.4%減の見込み。一方、消費量は25億7568万tで対前年度比0.1%減の見込み。期末在庫量は6億4286万tで対前年度比1.5%減、期末在庫率は25.0%で対前年度差0.4ポイント減の見込みと発表した。
国連食糧農業機関(FAO)が指標とする安全在庫水準は穀物全体で17~18%となっている。
品目別の動向では、小麦の生産量は米国で冬小麦の収穫面積が記録的な低水準になることなどから減少。豪州でも東部の乾燥で減少するものの、ロシアで冬小麦・春小麦ともに作柄が極めて良好であることから史上最高となり、EUでも増加が見込まれることから、世界全体では前年度を上回る7億5701万t(対前年度比0.9%増)の見込み。
消費量は、中国などで減少するものの、ロシア、インドなどで増加が見込まれることから前年度を上回る7億4170万tの見込み。世界全体の生産量は消費量を上回り、期末在庫率は前年度より2.0ポイント上昇して36.1%となる見込み。
トウモロコシの生産量は、米国、南アフリカ、中国、ブラジル、ウクライナなどで減少が見込まれることから、世界全体では前年度2.9%減の10億4456万tの見込み。消費量は、中国、米国などで増加が見込まれることから前年度を0.4%上回る10億6673万tの見込み。
世界全体の生産量は消費量を下回り、期末在庫率は前年度より2.2ポイント低下して19.4%となった。なお、ベトナムは、北部産地で生育期間中の多雨により、生産量が前月から下方修正された。
米の生産量は、米国で作付期にアーカンソー州北東部、ミズーリ州南東部で洪水が発生、カリフォルニア州では土壌水分の過剰で収穫面積が減少し、生産量が1997/98年度以来最低となることが見込まれている。また、インドなどでも減少が見込まれることから、世界全体では前年度を下回る見込み。
一方、消費量は前年度並みで、世界全体の生産量は消費量を上回り、期末在庫率は前年度より0.6ポイント増えて29.3%の見込みとなった。
なお、フィリピンは、史上最高の収穫面積となり、生産量が史上最高の1200万tに上方修正された。
大豆の生産量は米国で史上最高の収穫面積、中国でも収穫面積が拡大して増加するものの、ブラジルなどで減少が見込まれることから、世界全体では前年度を0.8%下回る3億4857万tの見込み。消費量は、中国などで増加が見込まれることから前年度4.4%増で史上最高となる3億4447万tの見込み。世界全体の生産量は消費量を上回るものの、期末在庫率は前年度より0.6ポイント低下して28.6%となる見込み。
ブラジルは、単収の上方修正により、生産量が前月から200万t上方修正。アルゼンチンは、おもに北部産地での播種面積の下方修正により、生産量が前月から100万t下方修正された。
(関連記事)
・生産性向上の研究開発に投資【スバーシュ マーカド(Subhash Markad) BASFジャパン(株)農薬事業部執行役員 事業部長】(17.12.19)
・29年産米の値上がりと30年産問題(17.12.18)
・種子処理技術でグローバルな協力に合意 デュポンと住友化学(17.12.07)
・30年産の価格が分かる「コメ先物市場」(17.11.06)
・【インタビュー高木剛・日本労働組合総連合会(連合)顧問(元会長)】国民の負託に応え、食と農から日本のリードを(前半)(17.11.01)
・米国農業に打撃 不法移民取締り(17.09.28)
重要な記事
最新の記事
-
地域複合農業戦略に挑む(2)JA秋田中央会会長 小松忠彦氏【未来視座 JAトップインタビュー】2024年4月19日
-
農基法改正案が衆院を通過 賛成多数で可決2024年4月19日
-
【注意報】さとうきびにメイチュウ類 伊是名島で発生多発のおそれ 沖縄県2024年4月19日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:JA水戸 那珂川低温倉庫(茨城県) 温湿度・穀温 適正化徹底2024年4月19日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ対策を万全に 農業倉庫基金理事長 長瀬仁人氏2024年4月19日
-
食農教育補助教材を市内小学校へ贈呈 JA鶴岡とJA庄内たがわ2024年4月19日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第97回2024年4月19日
-
(380)震災時は5歳【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年4月19日
-
【JA人事】JA道北なよろ(北海道)村上清組合長を再任(4月12日)2024年4月19日
-
地拵え作業を遠隔操作「ラジコン式地拵機」レンタル開始 アクティオ2024年4月19日
-
協同組合のアイデンティティ 再確認 日本文化厚生連24年度事業計画2024年4月19日
-
料理酒「CS-4T」に含まれる成分が代替肉など食品の不快臭を改善 特許取得 白鶴酒造2024年4月19日
-
やきいもの聖地・らぽっぽファームで「GWやきいも工場祭2024」開催2024年4月19日
-
『ニッポンエール』グミシリーズから「広島県産世羅なしグミ」新発売 JA全農2024年4月19日
-
「パルシステムでんき」新規受付を再開 市場の影響を受けにくい再エネ調達力を強化2024年4月19日
-
養分欠乏下で高い生産性 陸稲品種 マダガスカルで「Mavitrika」開発 国際農研2024年4月19日
-
福島県産ブランド豚「麓山高原豚」使用『喜多方ラーメンバーガー』新発売 JAタウン2024年4月19日
-
微生物農業資材を用いた大阪産の減肥料栽培で共同研究開始 ナガセケムテックス2024年4月19日
-
栃木県真岡市産バナナ「とちおとこ」使用「バターのいとこ」那須エリア限定で新発売2024年4月19日
-
大阪泉州特産「水なす」農家直送で提供開始「北海道海鮮にほんいち」2024年4月19日