農水省が大学と連携して知財講座を2018年3月30日
・近大マグロ生んだ農学部学生を相手に
農林水産省は、近畿大学農学部と連携し、農業知的財産(農業知財)に関する講座を開設する。同省知財課の職員が講師として学部のある奈良キャンパスに出向き、講義する。農水省と連携して農業知財保護での講座を開設するのは日本の大学では初の試みとなる。講座開始は今年9月から。
近大農学部は実社会と結びついた独創的研究を展開、企業などとの連携で多くの研究成果をあげている。「近大マグロ」はその代表例だ。そのほかにも近大マンゴーや近大みかんなど「近大」の名がついたブランドが商品として実際の市場に出回るなど実学教育がもたらす新しい(農産物の)価値創出が注目されている。
講座は今年9月から来年1月まで毎週1回のペースで合計15回行われ、約200名(2年生を予定)の学生を相手に講義する。
農水省では、わが国農林水産業の競争力向上のために、地理的表示保護制度(GI)や植物新品種の海外流出防止、農業ノウハウ保護などの諸施策により、農林水産分野での知財保護とその活用をめざしているが、その政策実現の優先度は年々高まっている。特に農業知財の人材育成は大きな課題だ。その意味でも今回の新講座開設には期待がかかる。
講座では、同省が現在取り組んでいる知財施策の解説や国際的な動向、具体的な事例も紹介する。同省ではこの講座を通じて「農林水産分野の知財への知見を深めることでアグリビジネスを担う人材を育成し、日本の農業の未来を切り拓く講座としたい」と話す。
講座内容は、農業知財の保護の重要性や知財制度の歴史的変遷、GI法の概観とその効果、国際的な農業知財の動向、種苗法の概観などを予定している。
詳しくは農業知的財産に関する新講座開設について(農林水産省と近畿大学農学部の連携事業)から見ることができる。
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