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農政:日本農業とともに

農業は世界でもっとも大切な仕事 (上) BASF農薬事業本部プレジデント マルクス ヘルド2016年8月9日

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生産効率の向上で農産物生産に貢献
持続可能性のある農業が大事
マルクスヘルドMarkusHeldt
BASF農薬事業本部プレジデント

 世界トップの化学会社であるBASF社の農薬事業本部の責任者であるマルクス・ヘルド氏がドイツから来日した。そこで、現在の世界の農業事情とそれに対する同社の世界的な戦略、その中で日本の農業市場をどう位置づけているのかなどを聞いた。

◆質の高い食料を得るのは基本的人権

 ――いま世界では人口の増加やそれにともなう食料問題などがあります。そのなかで御社の農業分野における戦略はどのようなものですか。

マルクス ヘルド Markus Heldt BASF農薬事業本部プレジデント BASFは世界最大の化学会社で、農業関連製品部門はそのなかの一部門です。昨年度の同部門の売上げは58億ユーロで、グループ全体の売上げの7%、利益の15%を占めています。
 そしてグループ全体には農業関連事業に対する強い思いがあり、グループ全体の研究開発投資のうち26%が農業関連事業に充てられています。
 私たちは、テクノロジーとイノベーション(革新)の二つが、増加する人口への食料供給の問題に対応していくために必要だと強く信じています。BASFは昨年150周年を迎えましたが、これは、創立以来一貫して追求してきたビジネスモデルです。
 いま世界のメガトレンドとして、農業の生産性向上と食料事情の改善が求められています。
 2030年から35年には世界の人口は90億人から93億人に達すると予測されています。これから増えていく人口増のうち20億人は、アジア諸国と新興国によるものです。
 そういったなかで、十分な量の食料が供給され、人びとが質の高い食料を得ることは、地球に生きる私たち一人ひとりの基本的人権だと考えます。
 こうした非常に大きな課題に直面しているわけですが、これを克服していくためには、農業生産者の方々の生産性・収量面そして品質面での改善が必要不可欠だと信じています。

 ――そうした課題に応える農業生産市場として、BASFが注目している地域はどこですか。

 米国とブラジルがある南北アメリカは農業の生産性、生産量そして農薬製品市場として最も規模が大きい市場です。その2か国についで大きいのは現在のところ中国です。
 農薬分野で4番目の規模を誇り私たちが重要視しているのは、日本です。日本の農業は高付加価値を持っていると私たちは考えています。
 長期的な今後の趨勢ということでは、新興諸国には潜在的なポテンシャルがあると思います。それは経済的な価値と同時に農業の生産量が増えていくと思うからです。


◆日本農業は高い付加価値を持つ

 ――日本の農業は生産者の高齢化や担い手不足、一方で人口減少で市場が小さくなっていくなどという問題が指摘されていますが、そうしたなかでも日本が重要だと考えるのはなぜですか。

 日本の農業は、歴史的にみても自給率の確保が非常に重要なものだと考えます。そして、高い技術をもち、品質の高い農産物を生産しています。その農産物は、日本人の口にだけ入るのではなく、私たち外国人も日本産の果物や野菜を楽しんで食べていますから、近隣諸国への輸出も期待できます。
 高齢化や生産者人口の減少という課題は、ドイツも同じです。
 私見ですが、今後さらに生産者の集約化が進み、効率性の向上がはかられ、農業経営がよりプロフェッショナルな農業生産者に担われていくのではないかと思います。

 ――そうすると今後の農業の方向性はどうなると思いますか。

 いま以上に農地を拡大することは難しいので、収量をアップする、品質と生産性を向上させることがカギだと思っています。そのためにはテクノロジーとイノベーションが非常に重要だといえます。

 ――それでは日本の農業に対してどういうアプローチをしていこうと考えていますか。

 日本は世界的にみてトップ5に入る市場ですから、これからも引き続き日本への投資を継続していきます。とくに、人材が大事ですからBASFジャパンのチームに投資することで、BASFのもっているテクノロジーを日本へどんどん持ってきたいと考えています。
 BASFは、「農業 それはもっとも大切なしごと。」というキャンペーンを行っています。これは今日ほど農業の透明性が高まり、質の高い食料が生産されている時代はないと思いますので、日本の生産者の方々も含めて農業の世界への貢献を認識し、感謝しようということです。
 こうした声を消費者の人たちに届けるために、全国の農協や全農、バリューチェーンのメンバーの皆さまとともに、取り組んでいきたいと考えています。

 ――同じ農業といっても日本は水田中心で、ヨーロッパやアメリカなど畑作農業とは違うので、ドイツの会社としてやりにくくないですか?

 グローバル企業として、各国の国情や作物に合わせて自分たちが調整しなければいけないと考えています。
 日本は稲作中心ですがそれだけではありません。非常に生産性が高く品質の良い果樹も野菜もあり、各国の生産者が日本の果樹や野菜の生産者から学んでいます。

 ――しかし、農薬の市場としてはそれほど大きくはないのでは...。

 ブラジルの大豆生産と比べれば確かに大きな市場ではありませんが、非常に価値の高い市場ですし、投入量も高い市場ですから、戦略的にもBASFにとって重要な市場です。


・農業は世界でもっとも大切な仕事  (上) (下)

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