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農政:緊急特集 TPP大筋合意―どうする日本の農業

ミカン農家に衝撃―オレンジ生果・果汁の関税撤廃2015年10月19日

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村田武(愛媛大学アカデミックアドバイザー)

 多くの国民や生産者が反対していたにもかかわらず、米国アトランタで行われていたTPP交渉が10月5日に大筋合意した。大筋合意への意見や今後の日本農業の在り方などについて、多くのご意見が寄せられている。これらのご意見を逐次掲載していくことにしている。
 今回は、愛媛大学アカデミックアドバイザーである村田武氏のご意見を掲載する。

◆確実に増える輸入量

村田教授 農水省が10月8日に発表したTPP協定の農林水産物の関税撤廃に関する追加合意が愛媛県のミカン農家に衝撃を与えている。
 関税が設定されている農林水産物834品目のうち協定発効後に約400品目で関税が撤廃されというが、そのなかにオレンジの生果も果汁も含まれているではないか。国会決議無視の「重要5品目」の特別輸入枠設定や関税引下げにとどまらず、これまでまったく議論が表面化してこなかったオレンジの関税撤廃で合意したというのはまさに寝耳に水である。
 オレンジ生果は現行の季節関税、すなわち端境期の6-11月16%、12―5月32%が、それぞれ6年目、8年目に撤廃される。直近4カ年に12万トン輸入されている生果のうち11万トンがTPP参加国(アメリカ8.3万トン、オーストラリア2.7万トン)からの輸入であるから、この関税撤廃は輸入オレンジの価格低下によって確実に輸入量の増加につながるだろう。
 オレンジ果汁の現行関税率は平均25.5%だが、これが段階的に6年ないし11年で撤廃される。直近4カ年のオレンジ果汁輸入量9.4万トンは圧倒的にブラジル産で、TPP参加国からの輸入は7000トン(アメリカ2300トン、メキシコ2900トン)にとどまったが、この関税撤廃でアメリカ産果汁がブラジル産に食い込んでいくだろう。
 いずれにしろ、オレンジ生果実・果汁の低価格での輸入が増加するだろう。輸入オレンジ果汁は5倍濃縮であって、現在の輸入量9万トンでさえ、それを生果に換算すれば100万トンになる。直近4カ年の温州みかん国内生産量84万トンをすでに凌駕しているのである。

◆後継者戻ってきているのに"お先真っ暗"

 1991年にオレンジ生果、92年にオレンジ果汁が自由化されて以来、愛媛県のみかん農家や柑きつ共選場は温州みかんの価格低下に苦しみ、加工仕向けや中晩柑類への転換で生き残りを図ってきた。
 かつて25万トンを超える温州みかんの生産量を誇り、果汁100%のポンジュースを開発した愛媛県のみかん農家とJAグループは、TPP協定による関税撤廃でさらに価格が低下する輸入オレンジと果汁の圧力をはね返すことできるか。オレンジ自由化後の愛媛県の温州みかん生産量は10万トンを切り、一部の産地・共選場を除き、総じて産地の弱体化が進んでいる。
 宇和島市吉田町の中核的みかん農家Aさんに電話した。
 Aさんの答えは、「ここ数年の温州みかんの価格持ち直しで、後継者が少しずつ都市から戻ってきている。しかし、それもオレンジ関税撤廃ではお先真っ暗だね」であった。
 こんな乱暴きわまりだまし討ちと亡国のTPP協定を認めるわけにはいかない。JAグループは、今こそ国会承認を許さない農政運動を展開してもらいたい。

 なお、皆さまのTPPに関するご意見を下記までメールでお寄せ下さい。

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