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農政:緊急特集 TPP大筋合意―どうする日本の農業

国民を無視した亡国のTPP合意2015年10月21日

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北出俊昭明治大学元教授

 多くの国民や生産者が反対していたにもかかわらず、米国アトランタで行われていたTPP交渉が10月5日に大筋合意した。大筋合意への意見や今後の日本農業の在り方などについて、多くのご意見が寄せられている。これらのご意見を逐次掲載していくことにしている。
 今回は、北出俊昭元明治大学教授のご意見を掲載する。

◆農業の基礎を掘り崩す合意

 10月5日に示されたTPP閣僚交渉の大筋合意は国民を無視し、国会決議にも反したものである。そこには医療、知的所有権、ISDSなど国家主権にかかわる重要な問題があるが、農林水産物でも米、牛肉・豚肉、乳製品などの重要5品目をはじめ834の輸入農林水産物の約半数について、関税を撤廃・削減することになっている。とくに合意後突然示された果実、野菜などについては、生産者の間には「寝耳に水だ」として不満と強い憤りがある。
 この合意について中央マスコミや一部の研究者などは「食料価格が低下するので消費者にはプラス」とか「農業の成長産業化」を主張しているが、国内農業生産の基礎がさらに掘り崩され、安心・安全な国民食料の安定供給が一層不安定になるのは明らかである。

◆米国産農畜産物の輸入が増大

 このTPP合意の真の狙いは何か。それは10月9日、政府の「TPP総合対策本部」(本部長 安倍総理)が決定した「TPPの大筋合意を踏まえた総合政策の基本方針」で明らかである。そこでは日本政府は終始一貫交渉を主導してきたことを強調しながら、今後の政策の基本目標として「新たな市場開拓」、「イノベーションの促進・産業活性化」、「国民の不安の払拭」を掲げている。これはTPPの本当の狙いは企業の国際的な事業展開の強化にあり、農業対策をはじめとする諸政策はそれを推進するための「イチジクの葉」に過ぎないことを示している。しかもそれを主導したのは日本政府であったと自認しているが、このことについてアトランタの現地で取材した記者はすでに、「日本政府は譲歩に譲歩を重ね国民を守る姿勢は全くなかった」と報じていたことからもいえることである。
 しかもその合意内容にはアメリカへの「配慮」が強くみられる。新たに設定された米特別輸入枠のほとんど(90%)はアメリカからであり、輸入義務がないとはいえ輸入量が合意されているので、アメリカ産の輸入量が増大する可能性が強い。また小麦、牛肉、オレンジをはじめ特定の林産物などアメリカからの割合が高い農林産物の輸入がさらに拡大することは必至である。しかも詳細は明らかにされていないがアメリカとの間で懸案となっている大豆やトウモロコシなどのGM作物の表示問題もあるので、今回のTPP合意でわが国のアメリカとの経済関係が一層強まったといえる。

◆安保関連法と軌を一に

 それだけでない。安倍総理は合意に際し、「日本のみならずアジア太平洋の未来にとって大きな成果である」と歓迎し、甘利経産相も「中国の覇権や北朝鮮に対する間接的な安全保障である」と述べていたが、この発言はTPPは先に安倍政権が強行採決し安保関連法と軌を一つにしていることを示すもので、わが国がアメリカのアジア太平洋戦略に一層深く組み込まれたことを意味する。

◆重要な批准阻止と撤退の取組み

 ただこうした重要な問題を抱えたTPP合意であるが、これで終わったわけではない。発効には参加各国の国内手続きの完了が必要で、各国の足並みがそろわない場合は、GDP合計が85%以上を占める6か国で完了して、はじめて2年後発効することになっている。現在アメリカはTPP域内GDPの約62%、わが国は約17%なので、少なくとも日本で批准されなければ合意は発効できないのである。アメリカをはじめ他の参加国でも強い反対があるが、わが国でも今後は「TPP合意の批准阻止と撤退」を目指し、国民各層の連帯した運動の展開が強く望まれているといえる。

なお、皆さまのTPPに関するご意見を下記までメールでお寄せ下さい。

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