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農薬:時の人話題の組織

【時の人 話題の組織】荒井裕治・出光興産(株)執行役員、アグリバイオ事業部長 効率化・省力化で農家経営に貢献2014年4月3日

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・次世代担う事業と期待が
・長年にわたって研究してきた分野
・製品化技術は世界トップクラス
・化学農薬と役割分担して
・農家の企業マインドに応えた提案を

 農産物の生産をするときに、病害虫の防除は欠かすことができない。化学農薬を使う防除が中心だが、環境への負荷がすくない微生物や天敵による防除もいまや欠かせない防除技術となっている。早くからこの分野での研究・開発に取組み、微生物防除をけん引している出光興産(株)の執行役員で同社アグリバイオ事業部の荒井裕治部長に、微生物防除について聞いた。

IPMのなかで役割発揮

◆次世代担う事業と期待が

荒井裕治氏――「出光」と聞くと一般的には、ガソリンなどの油やエネルギー関係の会社というイメージが強いと思いますが、アグリバイオ事業はどういう位置づけになっているのでしょう。
 「次世代を担う事業に成長して欲しいと期待されている部門です。エネルギーと食は人間に欠かすことのできない基本的なものなので、出光が取組むのにふさわしい分野だと位置付けられています」
 「なおかつ、日本は人口減少といわれていますが、世界的には人口が増加し、食料問題が大きな課題となっていますので、そこで出光が一定の役割を果たして、貢献していきたいという大きな思いを持っています」
 「まだ小さな事業部ですが、期待も大きいので少し時間がかかるかもしれませんが、期待に応えて大きくしていきたいと考えています」
――アグリバイオ事業部の事業内容はどのようなものですか。
 「高機能材事業ということで、アグリバイオや潤滑油、有機EL材料()などの電子材料、機能化学品などを担当している部門に分類され、機能性素材を開発・普及する部門として位置づけられています」

◆長年にわたって研究してきた分野

――微生物とか天敵は、農産物の防除方法としては新しい技術だといえますね。
 「日本では、弊社もこの分野を牽引する一翼を担っていると自負していますが、まだウェイトとしては小さいので、使用場面を増やしていく活動を地道に進めていかなければいけないと考えています」
 「農薬会社の皆さんはケミカルの農薬がありますが、私どもは微生物がメインですので、これをしっかり伸ばしていくことだと考えています」
――防除技術として微生物に着目されたのはどういう経過ですか。
 「もともとは、石油のある成分を微生物を利用してタンパク質に変えて、それを家畜の飼料にできないかという研究を約40年前に始めました。この研究は実用化しませんでしたが、その後も微生物の研究を続け、農業分野でボトキラーという微生物殺菌剤を商品化したわけです」
 「長年にわたって微生物について研究・開発してきた人たちがいて、それとは別に牛豚などに与える乳酸菌のような生菌剤をやっている部署がグループ内にあって、これを一つにしてアグリバイオ事業部ができたわけです」
 「ですから、この事業部には農薬だけではなく、畜産分野の関連資材もあります」

◆製品化技術は世界トップクラス

――かなり以前から微生物を研究してこられた方がいたわけですね。
 「有用な微生物をみつける技術もありますが、微生物そのものを一定の条件の下に大量に生産し商品化するというハンドリング技術については、世界でもトップクラスだと思います」
 「私たちが依って立つのはこの技術なので、これからいろいろな可能性が出てくると思いますが、このコア技術をうまく活かして事業を進めていきたいと考えています」
――微生物は無限に近く存在するのでしょうから、可能性は大きいといえますね。
 「微生物はどこにもいますし、身近なこの机の上にもいます。新たな微生物の機能を見つけ出していきたいですね。欧米は日本よりも農業での微生物利用が進んでいますので、これから風が吹いてくるのではないかと期待しています」

◆化学農薬と役割分担して

――環境にあまり負荷を与えない農業をといわていますから、これからさらに注目されていく技術だといえますね。
 「有機栽培を目指している人たちがいますからそういう人たちの生産活動に貢献することはもちろんですが、きちんと試験をして農薬登録を取得していますので化学農薬と組み合わせて上手に活用していただきたいと思います。耐性菌とか抵抗性害虫という課題に対応することで、化学農薬の寿命も伸ばしていくという視点も重要だと考えています。IPM(総合的雑草・病害虫管理)として活かしていく視点があると思っています」
 「微生物農薬は化学農薬に対抗するためにあるのではなくて、上手に役割分担をしていくことで、農業生産に貢献していくことです」
――IPMのなかで上手に活かされることが大事だということですね。
 「微生物殺菌剤のボトキラーに関しては、ダクト散布というアプリケーションを持っていますので、間違いなく散布にかかる労働力を相当減らすことができますので、これをうまくお使いいただきながら、それでも病害が出たときには化学農薬をうまくお使いいただくことで、結果的に防除コストも低減できるわけです」

◆農家の企業マインドに応えた提案を

――将来的な展望としてはどのようなことをお考えですか。
 「これからの日本の農業は、生産効率をできる限りあげる方向か、品質を上げて差別化する方向か、どちらかになると思います。そして民間企業が農業に参入してくるというよりは、農家のみなさんが企業マインドをもって農業経営していくようになるのではないかと思っています」
 「したがって私たちは農家の皆さんの経営に資するような、効率化への提案とか、差別化への提案を行っていく必要があると考えています。」
――現場により近くですね
 「現場の営農指導員や試験所の先生方と一緒に問題解決していかないといけないですね」
――情報の発信も大事ですね。
 「そのために最近、スマホですぐにアクセスできる天敵製剤の紹介をする『天敵倶楽部』というサイトを立ち上げました。多くの生産場面で使い勝手がよいような工夫をしていますので、ぜひご活用いただきたいと思います」
――ありがとうございました。


※:有機エレクトロルミネッセンス(Organic Electro-Luminescence)のこと。発光を伴う物理現象であり、その現象を利用した有機発光ダイオード(OLED)や発光ポリマーとも呼ばれる製品一般も指す。

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