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シリーズ:食は医力

【浅野純次 / 経済倶楽部前理事長】

2013.11.18 
【シリーズ・食は医力】第56回 タマネギ信奉、古代から一覧へ

・300円健康法
・ミネラルも豊富
・精神の安定にも
・玉は根か茎か?

 ○○健康法というのが次々に登場しては消えていきますが、最近ではタマネギ氷健康法というのもあり、健康雑誌などで特集されたりして人気が持続しているようです。

◆300円健康法

 ○○健康法というのが次々に登場しては消えていきますが、最近ではタマネギ氷健康法というのもあり、健康雑誌などで特集されたりして人気が持続しているようです。
 タマネギを電子レンジで加熱したものに水を足してミキサーにかけ、ピューレ状になったのを製氷皿に入れて冷凍する--作り方は比較的簡単です。
 凍った塊は料理やレトルトなどいかようにも加えて食すればよいという手軽さ、保存性、健康法あれこれ、割安さ、などが人気の理由のようです。
 確かに1日1人4分の1個で十分で、1ヵ月300円か400円というのであれば、健康法としては安いものかもしれません。
 ということで、さっそくタマネギの効能から見ていきましょう。


◆ミネラルも豊富

 タマネギといえば「涙」です。包丁を手に泣いたことのない人はまずいないでしょう。 あれは硫化アリル(アリルサルファイド)という硫黄の化合物のなせる業で、この化合物のおかげでタマネギは昔から健康食品として高評価されてきました。
 古代エジプトではピラミッド建設に従事した労働者にタマネギが現物給与として与えられたという記録があります。疲れをとる、強壮効果が信じられていたのでしょう。
 精力剤として知られるニンニクにも硫化アリルの仲間が豊富に含まれていることからも、タマネギ信奉が古代からあったとして不思議はありません。
 昔からお寺の山門脇には「不許葷酒入山門」の文字が掲げられてきました。葷酒(くんしゅ)つまり「ニラとニンニクの類と酒はこの先ご法度」ということで、ニンニク類は修行の妨げになると考えられていたのです。
 栄養的にはビタミンB群、C、ミネラルが豊富にあります。煮ると独特の甘みを楽しめますが、ポン酢とカツオ節で食べる生の千切り(オニオンスライス)はベストでしょう。


◆精神の安定にも

 硫化アリルは血液をさらさらにし、血栓予防に優れた効果を発揮しますけれど、その薬効は生のほうが高いとされています。ただし水にさらしすぎると効果が損なわれます。糖尿病にもお勧めです。 ヨーロッパでは馬が血栓で脚に障害が起きたときなど、タマネギをたくさん食べさせたと言います。もっとも犬には禁物です。わが家のシェルティはハンバーグのタマネギで腹をこわしましたから。 タマネギで面白いのは沈静効果です。元気が出る割に精神を安定させるというのはちょっと矛盾しますが、特に生食だと不眠やイライラに効果があるようなのでお試しください。 ということでタマネギの健康談義はこれでほとんどタネが尽きたので以下、うんちくを少々。


◆玉は根か茎か?

 まずはタマネギの丸い部分は葉か茎か根か、というクイズから。よく見るとタマネギの下からヒゲのようなものが出ているのでこれが根でしょうから、根ではなさそう。長く保存すると上から緑の長ネギ状の葉が出てくるので、残るは茎か。
 ところが、ところが、玉の部分は肥えて厚くなった葉なのです。茎は玉の底、根のすぐ上に小さくあり、そこから玉つまり葉の中心を貫いて芽が出てくるのです(ややこしい…)。 専門書を見ていたら、タマネギが根菜類に分類されていました。出版社に違うよ、と教えてあげたものか、迷っています。
 で、次の雑学はタマネギの産地。県別生産のトップは北海道ですが、シェアはどのくらいか。驚くことに6割近い。まさにタマネギ王国ですね。続く佐賀、兵庫を足すと3位までで全国の8割弱を占めてしまう。すごい集中度です。
 なお輸入は消費の2割を占め、中国が輸入の7割。牛丼屋さんや500円弁当のタマネギはほとんど中国産でしょう。以上、タマネギのトリビアでした。

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