クモの糸をカイコが紡ぐ 生物研が実用へ2014年8月28日
農業生物資源研究所(生物研)は、このほどクモとカイコの糸の性質を合せ持つ新しいシルク(クモ糸シルク)を生産するカイコの作出に成功した。通常のシルクと同じように織物加工が可能。通常のシルクの1.5倍の強度があり、幅広い応用が期待できる。
クモの糸は、強くて伸びる性質を持つ繊維だが、クモは共食いする性質があり、人工的な生産は困難だった。微生物でクモ糸タンパク質をつくることは可能だが、繊維化の過程が必要で、強度も弱く、機械加工が難しいなどの問題があった。
生物研は、実際のシルク生産に使うカイコ品種にクモ糸遺伝子を導入し、強くて切れにくいクモ糸の性質とカイコ本来の光沢や柔らかさを合わせ持つクモ糸シルクを生産することに成功した。
強度で鋼鉄の20倍の切れにくさを持つといわれるアメリカのジョロウグモの縦糸に匹敵するという。
今後さらに強度や機能性を高めることで、手術用縫合、衣料素材や防災ロープ・防護服などの特殊素材の開発が期待される。
(関連記事)
・組み換えカイコの判別が簡単に 生物研(2014.08.27)
・小麦の遺伝子解読に成功 生物研など(2014.07.18)
・相乗効果で極めて高い殺虫力 生物研が解明(2014.05.26)
・ゲノム情報データを素早く検索 AgrIDを公開(2014.05.22)
・宇宙で昆虫が成長 生物研など(2014.04.16)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(90)みどりの食料システム戦略 現在の技術で実現可能でしょ(4)2024年4月20日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(7)【防除学習帖】 第246回2024年4月20日
-
土壌診断の基礎知識(16)【今さら聞けない営農情報】第246回2024年4月20日
-
地域複合農業戦略に挑む(2)JA秋田中央会会長 小松忠彦氏【未来視座 JAトップインタビュー】2024年4月19日
-
農基法改正案が衆院を通過 賛成多数で可決2024年4月19日
-
【注意報】さとうきびにメイチュウ類 伊是名島で発生多発のおそれ 沖縄県2024年4月19日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:JA水戸 那珂川低温倉庫(茨城県) 温湿度・穀温 適正化徹底2024年4月19日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ対策を万全に 農業倉庫基金理事長 長瀬仁人氏2024年4月19日
-
食農教育補助教材を市内小学校へ贈呈 JA鶴岡とJA庄内たがわ2024年4月19日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第97回2024年4月19日
-
(380)震災時は5歳【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年4月19日
-
【JA人事】JA道北なよろ(北海道)村上清組合長を再任(4月12日)2024年4月19日
-
地拵え作業を遠隔操作「ラジコン式地拵機」レンタル開始 アクティオ2024年4月19日
-
協同組合のアイデンティティ 再確認 日本文化厚生連24年度事業計画2024年4月19日
-
料理酒「CS-4T」に含まれる成分が代替肉など食品の不快臭を改善 特許取得 白鶴酒造2024年4月19日
-
やきいもの聖地・らぽっぽファームで「GWやきいも工場祭2024」開催2024年4月19日
-
『ニッポンエール』グミシリーズから「広島県産世羅なしグミ」新発売 JA全農2024年4月19日
-
「パルシステムでんき」新規受付を再開 市場の影響を受けにくい再エネ調達力を強化2024年4月19日
-
養分欠乏下で高い生産性 陸稲品種 マダガスカルで「Mavitrika」開発 国際農研2024年4月19日
-
福島県産ブランド豚「麓山高原豚」使用『喜多方ラーメンバーガー』新発売 JAタウン2024年4月19日