飛ばないテントウムシなど 10大トピックス選定2014年12月11日
農林水産技術会議農林水産研究成果10大トピックス
農林水産技術会議は12月10日、2014年農林水産研究成果10大トピックスを発表した。
この10大トピックスは、毎年専門紙誌29社の協力のもとで選定している。この1年間に発表された農林水産関係の研究成果の中から、社会的関心が高いと思われるものが選ばれる。
今年も農業土木、漁業資源、遺伝子解析、病害虫防除技術、食品機能など多彩な研究分野が選ばれた。研究機関別では、農研機構が5件で最多だった。
農業関連で主なものでは、6月に(株)アグリセクトから生物農薬として発売されたアブラムシ防除に役立つ飛ばないテントウムシ、農研機構と井関農機らが共同開発した露地野菜づくりで施肥量を3?5割削減できる「うね内部分施用機」、北海道農業公社などが開発した無資材・迅速・簡単な穿孔暗きょ施工機「カットドレーン」、などが選ばれた。
◇
10大トピックスは次の通り。それぞれの詳しい研究内容については、農水省ホームページで。
(1)飛ばないナミテントウの育成と利用技術の開発-アブラムシ防除に強力でやさしい味方誕生-
(2)ニホンウナギ仔魚飼育 大型水槽で成功-シラスウナギ量産技術の開発に期待-
(3)施肥量を大幅に削減できる「うね内部分施用機」のラインナップが完成 -露地野菜作で肥料施用量を30?50%削減可能-
(4)資材不要・素早く・簡単な穿孔暗渠機(せんこうあんきょき)「カットドレーン」を開発-手軽な施工で抜群の排水性を確保-
(5)植物体への超音波処理による病害防除技術を開発-物理的刺激を与え、病気に対する抵抗性を誘導
(6)クモ糸を紡ぐカイコの実用品種化に成功-大量生産への道を拓く-
(7)豚ぷんをリン鉱石代替物に変換する技術を開発-家畜排せつ物のリサイクル推進に期待-
(8)青切り出荷用タマネギの高能率調製装置を開発-未乾燥タマネギの葉切り・根切り作業の大幅な省力化に期待-
(9)イネの収量を増加させる遺伝子(SPIKE)の発見及びそのDNAマーカーの開発-収量の多い熱帯の普及品種開発に期待-
(10)鶏肉のイミダゾールジペプチドの脳老化改善効果を発見-鶏肉摂取を介した認知症予防の取り組みに道を拓く-
(関連記事)
・クモの糸をカイコが紡ぐ 生物研が実用へ(2014.08.28)
・アブラムシの天敵を製剤化(2014.06.18)
・施肥量30?50%削減 5種類の新施肥機(2014.04.03)
・米の新品種・加工技術など 2013年10大研究(2013.12.19)
・資材を使わず暗渠を施工 穿孔施工機を開発(2013.11.12)
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