29年春用肥料 大幅値下げ-JA全農2016年10月31日
JA全農は10月28日、29年春用肥料の大幅値下げと銘柄集約の取り組み開始を発表した。
窒素質肥料、リン酸質肥料、加里質肥料、複合肥料のいずれも大幅な値下げとなる。肥料原料の国際市況の低下や為替相場などが要因となった。
今期の秋肥料との対比では▲2.9%~▲19.2%、前年同期比では▲7.7%~▲30.8%
の値下げ率となった。適用開始は28年11月から(地域・作物により異なる場合がある)。
複合肥料(高度化成・一般、15-15-15)は、基準銘柄で前期比約1割の値下げ、前年同期比では約2割の値下げでメーカーと合意した。これで肥料価格高騰前の平成19年(2007年)と同水準の価格となった。
背景には肥料原料の国際市況の値下がりが続いてきたことがある。穀物市況の低迷と通貨安で需要国の購買力が低下し、生産能力が過剰になっている。
外国為替相場は、前年の同時期は1ドル120円~125円、前期交渉時は112円~114円だった。その後、円高がさらに進み今期交渉中の9月中下旬は100円~104円で推移している。
◆1000トン以上銘柄 追加値下げ
また、JA全農は銘柄集約を促進するため、現行の大量生産銘柄について合理化メリットを先行的に折り込むことにメーカーと合意、高度化成一般銘柄のうち、年間出荷量が1000t以上の10数銘柄について追加で5~11%の値下げをする(地域・銘柄によってすでに値下げに取り組んでいる場合があるので値下げ幅は異なる)。これらの肥料の販売は、コストを抑制するために10t以上の大型車満車によるJAの倉庫などへの工場直送1か所降ろしを前提とする。
JA全農は今後、県別の施肥基準の緩和など行政の協力を得て、化成肥料の本格的な銘柄集約に取り組む。また、低コストで土壌診断にもとづく柔軟な銘柄対応が可能なBB肥料の広域供給をすすめ、一層の価格引き下げに取り組むことにしている。
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