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『地球環境の再生へ向けて』
−日本農芸化学会関東支部がシンポ−


 日本農芸化学会関東支部は6月24日、東京都文京区の東京大学農学部弥生講堂・一条ホールに関係者多数を集め、99年度農芸化学会の各賞受賞者の講演会及び『地球環境の再生へ向けて』をテーマにシンポジウムを開催し、盛況を極めた。

 先ず各賞受賞者の講演内容について。功績賞の東工大生命理工・永井和夫氏が「生理活性物質を用いた免疫系及び骨代謝系細胞の分化と機能発現機構の解析」で、また技術賞のサッポロビール(株)・金田弘挙氏が「抗酸化製造法の展開―ビール品質劣化の理論的解明からその応用まで―」を、さらに奨励賞の東北大遺伝生体研究センター・永田祐二氏が「環境を汚染する有機塩素系農薬γーHCHの微生物代謝系の解明」で、それぞれ解説した。

田村三郎氏 一方、シンポジウム『地球環境の再生へ向けて』では、田村三郎東大名誉教授が「アジアの発展途上国における陸域生態系再生と生物生産性増強への挑戦」で、また東大院・農生科の松本聡氏が「世界の問題土壌とその再生への要素技術の開発」で、加えて東大院・農生科の森敏氏が「アルカリ土壌再生の原理」で、さらに東大院・農生科の鈴木和夫氏が「中国黄土高原に生育する樹木の水分特性と森林再生」で、それぞれ現場からの声を報告した。

 その中で田村東大名誉教授は、アジアの多くの発展途上国において爆発的な人口増加、極度の貧困、食糧不足が深刻化しつつあり、それらの事柄がいずれの地域においても森林の乱伐や焼き畑等を通じて、絶えず陸域生態系の崩壊を促進しているとしながら、農学者は「これらの地域における劣悪環境の修復・再生を目標として実験活動を行う場合には、常に食糧問題、貧困問題等をも視野に入れつつ、複合的かつ体系的な取り組みを行うことが求められる」、と結んでいる。


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