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国内肥料の安定供給の維持を
市川会長が新肥料年度を迎えて挨拶
−日本化成肥料協会−
 

 7月1日より、太田孝前会長の後を受け新たに日本化成肥料協会会長に就任した市川淳会長(セントラル硝子(株)代表取締役専務取締役)は、新肥料年度を迎えて概ね次の通り挨拶している。

市川淳氏【挨拶要旨】
 まもなく21世紀を迎える、まさに節目の大切な時期に会長を仰せつかり、身が引き締まる思いです。諸情勢厳しいなか、前会長の敷かれた方針を踏まえ、国内肥料の安定供給の維持を化成肥料メーカーの使命と認識し、業界運営に取り組んで参る所存です。

 さて、わが国の政治、経済情勢は世界的な情報化時代を迎える中で、確固たる展望が開けず、見通しは不透明であり、安定した政治経済基盤の早期の確立が望まれるところです。
 わが肥料業界においても難問が山積しています。化成肥料の需要減は底が見えず、12肥料年度の出荷も過去2年のような大きなダウンは無いものの、4〜5%の減少は避けられない情勢です。この要因としては、農業生産の減少及び停滞がありますが、さらに環境問題、リサイクル問題等業界を取り巻く環境は厳しさを増しています。

 この様な状況に対処するため、肥料メーカーはそれぞれの立場で工場閉鎖、生産受委託、系列を超えた思い切った業務提携等のリストラに取り組み、他方、環境に優しく、省力化や農産物の安定生産に役立つ高機能肥料の開発普及に注力し、わが国の肥料安定供給体制の維持に努めています。

 業界活動の一環としては、化成肥料の重要性や安全性をより多くの人々に理解していただくために積極的な広報活動に取り組んでいます。本年は特に学生や主婦層をはじめとする一般消費者の方々を念頭において、新たに『肥料とは何か』、『花と花木への化成肥料の使い方』、『肥料の知識』の3冊を発行し広く配布しています。

 本年3月、食料自給率の向上を目指した「食料・農業・農村基本計画」が策定されました。現状の食料自給率40%を平成22年には45%に引き上げることが明示されています。年々減少する耕地面積、高齢化する担い手等、厳しい状況の中でこの計画を実現するためには、国の強力な施策推進はもちろんですが、現場段階において創意・工夫を凝らし、生産性の高い農業が営まれることが必要です。そのためには安価で高機能を有した化学肥料の役割は今後ともますます重要性を増すものと確信しています。幸い日本の肥料メーカーの技術水準は世界のトップレベルにあり、農家の皆様の多種多様なニーズに応えて参りたいと存じます。

 当業界と致しましては、極めて難局に立たされていますが、課題の克服を図るとともにわが国の食料・農業・農村の発展のために役立つよう一層の努力を続けて参る所存です。  引き続き皆様のより一層のご指導ご鞭撻をお願い申しあげます。


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