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農業の発展を支えた植物防疫事業
植防50周年 環境と調和した多様な技術開発を

植物防疫事業50周年に想う
  クミアイ化学工業(株) 取締役社長 望月信彦

 50周年と言えば、弊社も昨年創立50周年を迎えました。その際、作成しました年史によれば、会社の技術広報誌「農薬通信」を初刊したのが昭和25年で、「植物防疫法」が公布された年でありました。その後、ウンカやニカメイチュウの大発生が続き、このことは農薬の役割と発生予察が結びつくきっかけとなりました。当時はまだ国産の農薬が無く、海外から各種の殺虫剤を導入した時期で、それらを普及するのに農林省や日本植物防疫協会の助力をいただき、普及に成功したことが弊社の業績の推移にも見て取れます。

 特に、ここ数年のカメムシ類の発生を例にあげるまでもなく、適切な発生予察が病害虫防除にとって非常に大切であることが再認識されました。
 近年、新しく開発され、また今後開発される農薬は優れた選択性を有し、効果はもちろん環境にも影響を及ぼさない理想の薬剤に近づきつつあります。特に、製剤技術の進歩は省力化製剤の開発を可能としています。従って、農薬、それを使う農家、指導機関、行政が必要な情報を共有し、臨機応変な防除ができるか否かが重要な課題となってくるものと思います。
 植防事業50周年を機に、広く一般社会においても発生予察、防除手段、農薬の位置付けについて認識を新たにしていただければ幸いであります。

 最後になりましたが、この50年の農業生産を支えてこられた植物防疫事業の今後更なる発展を祈念し挨拶といたします。 



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