カーバイド工業会・日本石灰窒素工業会　矢野恒夫会長

　カーバイド工業会・日本石灰窒素工業会（矢野恒夫会長）は１月９日、東京都中央区銀座の銀座ラフィナート（旧京橋会館）において『両工業会合同新年賀詞交歓会』を開催、苦戦を強いられている業界にあるなかで、経営改善に尽力していくことを再確認した。
　この中で石灰窒素については、「環境保全型農業」「自然循環機能の発揮」の視点からその特性が見直されつつあり、農業の基本的な作業である「土づくり」に大きく貢献している石灰窒素の真価が、ここに来て改めて認められているところだ。

　環境に対してマイルドで、しかも作物に対して極めてソフトな石灰窒素は、良質・安全な食料の安定的供給確保に貢献しているのであり、同工業会も鋭意普及活動に取り組んでいる。肥料需要の低迷の中、石灰窒素工業会の活動は化成協の活動と並び極めて積極的だ。

　席上、矢野会長は本年の具体的な普及活動を披露したが、それによると「緩効効果」、臭化メチル代替の「太陽熱利用による土壌消毒」、「クリーンな堆肥づくり」を中心課題に据え、ホームページの拡大利用と併せ好評を博している『石灰窒素Ｑ＆Ａ』、『石灰窒素だより』を通じ生産者への一層の普及拡大を、地道に展開する、とした。

　なお、来賓として挨拶に立った経済産業省製造産業局の増田優次長は、（景気は）緩やかながら回復基調にありこれを確実なものにしていきたいとしながら、「中・長期的なシナリオを描き、今後の発展の礎を構築していくことが大切」等を強調した。
　また、農林水産省生産局生産資材課の村崎史郎農業生産資材調整官は、自給率のアップに積極的に取り組んでいくとしながら、そのためにも「生産資材の安定生産及び安定供給が大変重要である」、と結んでいる。