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米卸8社が「コメリンクス21」を設立
―― 物流・マーケティングなどで連携 (4/25)

 米卸業者どうしの連携を強めるため、4月25日、大手米卸など8社が参加し「コメリンクス21」を設立した。
 米卸業界は食糧法の施行以降、業者が急増したうえ、米の過剰基調が続いたことから、販売競争が激化。各社とも人員削減、物流の効率化などによるコスト低減を図ってきたが、廃業、統合、合併などの業界再編を余儀なくされてきた。一方、消費者は、価格以外にも品質、規格、精米日付などにもこだわるようになり、より安心で安全な米を求めるようになっている。卸業界はこうした消費動向に応えることが迫れれているが、厳しい経営環境から新たな設備投資も難しく、「個々の卸業者だけで多岐にわたる市場ニーズに対応できなく」(同会)なっている。
 こうしたことから「卸業者の横断的な連携を強め個々の経営資源を最大限に活用することが必要」と判断して設立したもの。情報や基礎技術の共有、災害時などの安定供給体制を図るためのバックアップ体制の検討のほか、新たな商品の提案、物流施設の共有なども考えていくという。
 今回「コメリンクス21」に参加したのは、沖縄食糧(株)、(株)大阪第一食糧、(株)神明、(株)ヤマタネ、木徳神糧(株)、日本マタイ(株)、ホクレン・パールライス部、大和産業(株)。8社合計の推定取り扱い数量は127万t。
 同会の組織は、総会のもとに、各社の代表者から構成する顧問会議、実務担当者で構成する運営委員会議と事業検討委員会議を置く。今後の事業については、事業検討委員会を毎月開催し2〜3か月後には、具体的な事業を打ち出す予定。最高顧問には、(株)神明の藤尾益也代表取締役社長が就任。事務局も同社に置かれる。藤尾氏は会見で「参加した卸はお互いにライバルだが、米の安定流通について共通認識を持っていることから集まった。将来の統合などは考えていない」と話した。また、コメリンクス21は、21世紀を意味するが、将来的には21社程度の参加も視野に入れており、「趣旨に賛同してくれる卸業者には門戸を開放している」(藤尾氏)という。
 なお、ホクレンは顧問会議に板垣淳一副会長が出席し、運営委員会議には古崎正米穀事業本部長、事業検討委員会には森江義信パールライス部長が参加する。

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