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アグロスをアグロ事業部に統合
開発・普及・販売機能を更に強化

― 住友化学工業 ―

 住友化学工業(株)は5月8日、農薬の製剤・販売子会社である(株)アグロスの農薬関連事業を、本年10月1日をもって自社のアグロ事業部に統合することを明らかにした。これにより、同社は商系販売ルートを自ら保有することになり、今後の展開が注目される。
 (株)アグロス(藤本敬明社長=東京都中央区、資本金:8億円)は1988年8月、住友化学工業(株)がその前身たる山本農薬(株)等の事業を買収して設立され、それ以来、住友化学工業(株)の農薬の商系販売を担う会社として発展してきた。
 しかし、食品の安全性あるいは環境保全型農業へのニーズの高まりの中、農薬事業を取り巻く環境は減農薬の加速化等一段と厳しさを増している。住友化学工業(株)では、両社に分散している農薬の開発・普及・販売機能を統合することで、より重厚な体制を構築していくことにした。
 同社では、農業関連分野の事業をコア事業の一つと位置づけており、高品質で安全な作物を周辺の環境に配慮しながら生産するための栽培技術や、病害虫防除技術に対するニーズが一層強まるとの認識から、研究開発力を十二分に生かせるよう地域密着型の展開ができる事業体制を目指していく。
 具体的には、意思決定のスピードアップを図っていくほか、情報の共有化及び人材を含む投資の集中化で競争力を高めていく。取引先との間で、IT技術を利用した情報交換・支援サービス提供のためのネットの構築をも計画している。
 現在の(株)アグロスの体制は、資本金8億円で住友化学工業(株)86%、住友商事(株)14%となっている。東京、大阪、札幌、仙台、九州の5事業所を構え、宝塚に研究所を所有する。生産拠点は、西部化成(株)(広島県庄原市)だが、今後は住友化学工業(株)の直接子会社となり、さらに製剤開発力を強化していく。
 なお、「(株)トモノアグリカに対する製品供給は本年9月末をもって終了する」との一部報道が有るが、このところ(株)トモノアグリカは品目整理をすすめており、「終了」はあくまでもノバルティス戦略の一環。



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