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アグリビジネス業界ニュース

「何故、農薬を使うのか」等で
21世紀記念シンポジウムを開催
日本農薬学会

 日本農薬学会(大川秀郎会長)は10月15日、埼玉県さいたま市の「コルソ7階ホール」において『日本農薬学会21世紀記念シンポジウム−農薬と環境と安全性−』(共催:(社)緑の安全推進協会、後援:埼玉県)を開催した。21世紀記念事業の一環。

日本農薬学会21世紀記念シンポジウム
会場内

 冒頭、主催者を代表として日本農薬学会の安部浩副会長(東京農工大教授)が本シンポジウムの開催趣旨・目的を述べ、「本シンポジウムを通じ、さらに農薬に対する理解を深めていって欲しい」とし、埼玉県農林部の北岡美明次長は埼玉農業振興ビジョンを説明する中、「安全で環境に優しい」を骨格とした県の防除方針を語った。
 話題提供では、「何故、農薬を使うのか」で日本農薬学会(独立行政法人中央農業総合研究センター)の與語靖洋氏が、また「農薬は安全か?」で日本農薬学会(日本農薬(株))の内田又左衛門氏が、それぞれ熱気のこもった報告を行った。
 與語氏は、全ての技術にニーズがあり、それを満足させるのが「益」で、広義の副作用が「害」であり、農薬においても、「多面的な害と益の作用の差が、総合的に益の方に充分傾くように工夫すること」が、農薬を上手に利用することであり、「結果として何故農薬を使うのかに答えることになる」、としている。
 また、内田氏は「地球規模では最少の農耕地面積で最大の収穫を持続的に確保するのが、環境に最も優しい農業」と言うことになる。「農薬の果たす役割を長期的、本質的、多面的に考察」すると、今後、益々重要度を増すものであり、「許容できるリスクと農薬が果たす役割(ベネフィット)に関して理解を深めていきたい」と結んだ。
 なお、パネル・ディスカッションには上記2名に加え、消費者代表として柳昌子さいたまコープ理事、生産者代表として佐久間喜三埼玉県野菜園芸技術研究会会長、埼玉県代表として柴格郎埼玉県農林部農業経営課主幹が参加、座長を日本農薬学会(独立行政法人農業環境技術研究所)の上路雅子氏、日本農薬学会(日本バイエルアグロケム(株))の星野敏明氏の2氏がつとめている。




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