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自社原体「ベンゾビシクロン」等 水稲除草剤事業に求心力 ―エス・ディー・エス　バイオテック―

昭和電工（株）（大橋光夫社長、本社＝東京都港区）の連結子会社である（株）エス・ディー・エス　バイオテック（白井孝社長、本社＝東京都港区：以下ＳＤＳ）は12月３日、昭電ビルにおいて記者会見を行い『新規水稲用除草剤の開発状況』を明らかにした。 　ＳＤＳは本年４月、要防除雑草とされるホタルイ、コナギ、アゼナ等の一年生広葉雑草に優れた除草効果を発揮する新規水稲用除草剤原体「ベンゾビシクロン」（有効成分）含有６製剤を開発。これにより、カヤツリグサ科の除草成分として長年に亘り愛用されている「ダイムロン」（同）、中外製薬（株）より取得したイネ科雑草に卓効を示す「グラチトール」（同）とともに除草剤事業に求心力を持たせている。 スマートフロアブル 　本年４月に農薬登録を取得したのは『ショーエースフロアブル』、『ショーエース１キロ粒剤』、『テンカムテキフロアブル』、『クサコントフロアブル』、『スマートフロアブル』、『フォーカスショットジャンボ』の６剤で、さらに2002年秋には５製品が追加され、ベンゾビシクロン含有混合剤11剤がラインアップすることになる。 　このうち『クサコントフロアブル』は、三共（株）との共同開発によるもので、同社の一元販売。今当用期より一年生持続型除草剤（２種混合剤）として試販され、高い除草効果が確認されている。特に、畦から侵入するイボグサ等の防除にも有効なことが明るい材料だ。一年生持続型除草剤から初期一発除草剤として適用拡大中。 　また、３種混合初期一発除草剤の『スマートフロアブル』は、12月４日よりクミアイ化学工業（株）、日本バイエルアグロケム（株）の２社から市場投入される。ＳＵ抵抗性雑草の防除が急務とされる北海道、東北地方での効果が期待されており、特にエゾノサヤヌカグサに卓越した効果を示すことが指摘できる。 　さらに、『フォーカスショットジャンボ』は２種混合の初期ジャンボ剤に位置付けられる。一発ジャンボ剤への適用を拡大し、2002年秋の上市予定。50グラムパックを10アール当たり10パック投入する省力型の製剤で、科研製薬（株）と共同開発中。特に、難防除のカヤツリグサ科雑草であるクログワイ、シズイに対して高い効果を示す。 　現在、ＳＤＳは2000年を初年度とした「５カ年経営計画」を推進している。この中で、水稲除草剤事業は今年度約20億円の売上げが見込まれており、これに従来品の「ダイムロン」、本年６月に中外製薬（株）より譲渡を受けた「グラチトール」、及び自社開発の「ベンゾビシクロン」を成長させることで、３年後には約40億円の売上げを見込んでいる。