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アグリビジネス業界ニュース

水稲用除草剤「ホームラン剤」が伸長
純利益伸ばし企業体質に弾み
―北興化学工業―

 北興化学工業(株)(山本佳彦社長)は1月24日、『平成13年11月期決算短信(連結)』を公表した。それによると、売上高448億3300万円(前期比1.1%減)、経常利益24億8700万円(同7.5%減)、当期純利益10億5300万円(同80.9%増)となった。
 また、個別には売上高435億9000万円(同1.2%減)、経常利益22億9500万円(同5.8%減)、当期純利益9億3800万円(同117.9%増)となっている。連結、個別とも純利益を伸ばし、企業体質に弾みがついている。
 ファインケミカル事業部門の概況は次の通り。
【農薬】
 農薬の国内販売は、新規剤の水稲用初中期一発処理除草剤「ホームラン粒剤」、「ミスターホームランフロアブル」の拡販により水稲用薬剤は伸長したが、園芸用薬剤は病害虫の少発生の影響を受け減少したことから、前期を若干下回った。
 また、受託製造は新規受託の増加により前年を上回ったほか、輸出も中南米及びアジア地域での市場の回復ならびに円安により前年を上回っている。
 さらに、家庭園芸においては殺虫剤「ブルースカイAL」、「オルトランMP」、除草剤「カソロン粒剤2.5」などの拡販と北海道地区の市場開拓に努めたが、夏場の猛暑と景気の低迷により需要が伸び悩み、前期並にとどまった。
 これらにより、当部門の売上高は350億4700万円(同0.1%減)となった。

【農薬以外のファインケミカル】
 国内においては、医薬中間体は順調に推移したものの、IT関連業界が不況に陥った影響によるフォトレジスト樹脂素材、樹脂硬化触媒など電子材料関連製品の減少や価格競争の激化などの影響を受け前期を下回った。
 一方、輸出においては、香料原料や触媒が伸長したことに加え、年間を通して円安傾向の恩恵を受け前年を上回った。
 この結果、当部門の売上高は95億2800万円(同4.6%減)となった。
 次期の見通しだが、同社グループでは環境の変化に速やかにかつ弾力的に対応するとともに、市場動向を的確にとらえた新製品開発に積極的に取り組んでいく。また、水稲用除草剤の続伸ならびに農薬以外のファインケミカル製品の伸長を中心とした売上げの拡大を図っていくことにしている。
 次期の連結業績予想については、売上高458億円、経常利益27億円、当期純利益14億5000万円と、当期に比べ増収増益を見込んでいる。また、個別には売上高446億円、経常利益25億円、当期純利益13億円を見込んでいる。配当は、年間10円を予定。


農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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