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アグリビジネス業界ニュース

「サイは振られた」
新社長に芝原哲也氏が就任
−ディーエーエス菱商−


 本紙既報の通り3月1日、農薬販売会社であるディーエーエス菱商(株)の新社長に芝原哲也氏が就任。旧菱商、旧アグリード、旧アルファス、DOW、三菱商事、DIC、三菱化学等からの出身者からなる混成部隊である同社の陣頭指揮を執る。
 同氏は本紙のインタビューに対し、同社の存在を「これまでの価値基準で判断し議論する時ではない」、すでに「サイは振られた」と全社員挙げての事業展開に意欲を見せる。
 また、同氏は「これまでの菱商は中央商社であり、製品・取引会社が多かった。これを商社体質からメーカー機能を付与した最も生産性の高い農薬販売会社にシフトしていく」とした。自己責任のもとに、顧客と“顔”の見える関係の構築を強調する。
 ディーエーエス菱商(株)は、2001年1月にダウ・ケミカル日本(株)の資本参加を受け設立され(資本金1億8000万円)、現在の資本金は3億2000万円に上る。資本構成を見るとダウ・ケミカル日本(株)51%、三菱商事(株)34%、大日本インキ化学工業(株)11%、三菱化学(株)4%となっている。
 同社のアグリ製品は約700アイテムに上る。このうち一般農薬が77%を占め(円グラフ1)、主力品はダイセン類、D−D、ベフラン、ベルクート、ダーズバン、クリンチャー、スピノエースなどで、圧倒的に殺菌剤のウエートが高い(円グラフ2)。2001年の売上高は約111億円に成長し、新体制の方針の徹底と新規剤の投入により2005年には約230億円に持っていく(棒グラフ)。将来的には、売上高で業界トップ5入り、また1人当たりの売上高3億円を目指す。
 2001年1月、緑化部門はディーエーエス菱商(株)に集約された。一般農薬についても平成14農薬年度末までに統合される模様であり、新事務所も天王洲アイルへの移転・集約が決定している。鍵となるのは、販売ルートの菱商農薬会(本紙推定約90社)、にしき会(同約80社)のそれぞれの機能を最大限活かし、どう整合性を持たせていくかにある。店内シェア5位以内の確保も注目したい。

DASグループ・分野別ウエート
DASグループ・種別ウエート
菱商・売上高の推移


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