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アグリビジネス業界ニュース

「住化武田農薬」誕生へ
国内企業への影響は必至
― 住友・武田 ―


米倉弘昌社長(右)と武田國男社長
米倉弘昌社長(右)と武田國男社長
 住友化学と武田薬品は7月31日、都内において合同記者会見を行い、11月1日からの営業開始を目標に両社で合弁会社「住化武田農薬(株)」を設立し、新会社に武田薬品の農薬事業を営業譲渡することについて基本的に合意したと発表した。
 新会社の役員は住友化学から3名、武田薬品より2名が出る。資本金は約100億円で、住友化学60%、武田薬品40%の出資比率となる。「住化武田農薬(株)」は5年間合弁会社として存続する予定であり、合弁期間終了後に住友化学は「住化武田農薬(株)」の全株式を取得する。武田薬品社員は、新会社へ出向の型を取る
 また、新会社の本社は現在の武田薬品工業(株)アグロカンパニーの所在地(東京都中央区)に置かれ、従業員約280名体制でのぞみ、年間売上高約360億円を目指す。連結子会社はタケダ園芸(株)、武田アグロ製造(株)、海和緑化(株)、武田アグロソウル(株)の4社。
 住友化学は、米国ベーラント社の100%子会社化、同アボット・ラボラトリーズ社の生物農薬関連事業の買収、イタリアのイサグロイタリア社への資本参加など海外展開を積極的に進めている。
 また、国内においても販売卸政策の強化、IT活用による販売強化、ソリューション(問題解決)型事業への展開及び非農耕地分野への拡展を推進することで基盤強化を図ってきたが、他社との事業提携をも含めた一層の競争力強化策を検討していた。
 一方、武田薬品は、数年前に医薬への「特化戦略」を打ち出し、世界的な医薬品企業としての飛躍に向け、研究開発や欧米における事業基盤の整備・強化に重点配分してきた。
 農薬事業においては、自社原体を活かした製品ラインナップや国内における強い販売力をベースに、積極的な海外展開も念頭に置き、他社との提携も含め将来の発展を期した自立策を検討していた。
 記者会見に臨んだ両社首脳は、「当社の農薬事業は、70〜80%が海外展開であり、国内に強い販売網を構築している武田薬品と手を組むことで相乗効果が期待できる」((住友化学・米倉弘昌社長)、「農薬事業は堅調に推移しているが、中・長期的には世界的な企業との競争に勝てない。医薬外事業では将来に向けての発展と夢を追求したあらゆる可能性を考えてきたものであり、今後は医薬事業の成長路線を急ぎ固めたい」(武田薬品・武田國男社長)、とそれぞれ結んでいる。
 国内において、10月のバイエル クロップサイエンスの誕生に代表されるよう、外資系企業の動きには目を見張るものがある。今回の事業提携は、腰の重かった国内企業が生き残りを賭けいよいよ動き出したものであり、他の国内農薬企業に与える影響は必至。
 「5年間の合弁期間は長いのではないか」(業界評)との声もあるが、これはあくまでも社員モチベーションを考慮するとともに、社員の仕事及び雇用を確保したもので、外資系企業には出来ない所産だ。ただし、今後は研究・開発や営業の面で、どうシナジー効果を追求するのか、などが注目される。
国内農薬の売上高の推移
世界農薬の売上高の推移
世界主要農薬会社ランキング(2001年)

 


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