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アグリビジネス業界ニュース

長期不況で市場は一層縮小
平成14年度非農耕地農薬の販売実績

―緑の安全推進協会―


 (社)緑の安全推進協会(梶原敏宏会長、東京都中央区)は12月19日、『平成14年度非農耕地における農薬販売実績』を公表した。
 それによると、数量では9294トン・キロリットル(前年比216トン・キロリットル減、97.7%)、金額では213億7200万円(同11億8800万円減、94.7%)となり、ともに減少した。
 本年度の非農耕地分野における病害虫の発生は、とりわけて特筆するような発生はなかったものの、長期にわたる不況がゴルフ場や街路樹などの防除に影響したと思われること、さらにメーカー統合による品目整理が進行し、平成8年度比75%に象徴されるように市場は一層縮小した。
 種類別に見ると、殺菌剤は金額で新剤の投入により伸長(同106.9%)したが、殺虫剤は主力剤が軒並み減少(同88.4%)し、除草剤は一部剤型変更の成長要因があったものの、金額では結果的に減少(93.6%)した。用途別では、樹木において数量(同67.1%)、金額(同86.0%)ともに落ち込みが大きい。
 本年度は、無登録農薬の流通や使用実態が全国で明らかとなり、大きな社会問題となった。販売した業者の逮捕や農産物の大量廃棄となり、消費者に農薬の安全性に対する不安を募らせる結果となった。
 3月より改正農薬取締法が施行され登録適用外使用は罰則となったが、同協会では「信頼を取り戻せるか否かは、農薬に携わる者の遵法意識に掛かっている。今回、幸いにも非農耕地場面では問題となっていないが、決して対岸の火事ではない」と、改めて適正・安全使用などに業界挙げて取り組むべきだとしている。

 
 


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