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アグリビジネス業界ニュース

プレゼンスを高め農業に貢献を−生津社長のインタビューから
―住化武田農薬―


生津 嘉朗氏
 住友化学工業(株)と武田薬品工業(株)の合弁会社、住化武田農薬(株)(生津嘉朗社長 本社:東京都中央区)が間もなく1周年を迎える。農業に『新しい響き』を提案したいとする同社は、本年11月の本社移転も決まり住友化学との統合メリットを創出するため、さらに事業活動を促進していく。
 2002年11月に設立された同社は、国内市場においては武田薬品時代に培った販売力を梃子にプレゼンスを一層高め、海外市場では住友化学の販売網を通じて拡大を図ることで、将来にわたる事業展開を目指している。
 「発足から1年近くがあっという間に過ぎた。走りながらの体制整備であったが全般的に見て上手く稼動していると思う。各卸さんやJA全農さんからもまずまずの評価を得ており、一安心といったところ。これからも気を引き締めて、当社の特色を活かしながら国内外の市場でのプレゼンスを高め、農薬、農芸用資材の製造販売を通じて農業に貢献していきたい。」と、生津社長は1年を振り返る。
 平成15農薬年度(平成14年10月〜平成15年9月)の実績(予測)を見ると、下半期(4月〜9月)は殺菌剤「ブラシン」、殺虫剤「パダン」、新規殺虫剤「ダントツ」を中心にほぼ計画を達成する見込みである。特に、新たに市場投入した「ダントツ」は「予想以上の評価」(生津社長)を受けている。しかしながら、上半期(10月〜3月)に水稲用除草剤、園芸用殺虫剤などが伸び悩んだこと、海外の主力市場である韓国市場の低迷により、平成15農薬年度の実績(予測)は、業界平均より少しダウンする見込みである。
 平成16農薬年度は、主力の「ブラシン」、「ダントツ」、「パダン」、「イマゾスルフロン剤」などを中心に積極的な普及販売を展開していく。
 さらに、当面の新規開発候補剤は殺虫剤、殺菌剤、除草剤の各分野にわたっている。特に除草剤のうちの1つはSU抵抗性雑草対策剤として最も期待されている。今後、住友化学との統合効果により、開発候補化合物も増える。「新製品開発の効率化が飛躍的に進み、ここでも統合のシナジー効果が出る」(生津社長)という。
 同社が住友化学グループとなったことから、グループの売上高で国内企業トップに踊り出ることになる。加えて、グループの統合シナジーを高めるために住友化学と共同で、「営業」、「研究開発」、「製造」の各場面での効率化を積極的に進めている。
 「営業」では、両社の営業施策をすり合わせながら、効率的な体制の再整備を行っている。また、「研究開発」では2004年度中に農業科学研究所(つくば市)を住友化学の農業化学品研究所地区(宝塚市)に移転し効率的な研究体制で臨む。「製造」面では、原体製造の光工場を中心に住化武田アグロ製造(株)の下松・郡山工場でそれぞれの工場の特色を活かした製剤製造が行われている。
 なお、同社は統合効果を先取りするために、本年9月に全国各営業所を移転し住友化学各営業所と同居する。また、本年11月には、住友化学東京営業所、住友化学グループの日本グリーンアンドガーデンとともに、住友不動産茅場町ビル(中央区新川)への移転を完了する。
(2003.9.11)

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