農業協同組合新聞 JACOM
   
アグリビジネス業界ニュース

古紙を用いた「紙発泡緩衝材」で環境ビジネスをスタート
―矢崎総業―


農業用シート(果物・野菜シート)

農業用シート(果物・野菜シート)

 矢崎総業(株)(矢崎信二社長、本社・東京)は、上質古紙を主原料とする「紙発泡緩衝材」を開発したトキワ印刷(株)(後藤裕社長、資本金4億7820万円、本社・福島県須賀川市)と業務提携し、7月より環境事業をスタートする。
 紙発泡緩衝材は、印刷工程で発生する裁断クズや上質古紙を粉体化し、独自の技術で発泡させた新素材だ。紙を主原料としているため、弾力性と復元性に富み、軽量、緩衝、保冷、断熱などは、発泡スチロールと同等の性能がある。
 裁断、プレスによる抜き加工なども容易にでき、さまざまな分野で対応できる。また、有害な化学物質を含まず、燃焼カロリーも低く焼却炉を傷める心配がないため、一般ゴミとして簡単に焼却でき、燃やしてもダイオキシンは発生しない。
 この素材は、経済産業省リサイクル推進課より、環境にやさしい新素材と認められ、「容器包装リサイクル法の適用外商品」となっている。
バラ緩衡材
バラ緩衡材
 製造・販売を予定している製品は、バラ緩衝材(商品名:ワンダークッション)、板材(同ワンダーボード)、板材を圧縮したもの(同ワンダーシート)、農業用シート、保冷箱、インソール、スリッパなど。
 今回の提携により、矢崎総業はトキワ印刷から発泡技術、販売ノウハウ、原材料(裁断クズなど)の供給を受け、2004年から矢崎総業の関連会社で製造を開始する。包装などの緩衝材分野に向けて販売し、初年度7000万円、3年後には3億円の売上を達成し黒字化を目指す。
 矢崎総業では、生産拠点の海外移行によって、仕事が減少している関連会社の国内工場の雇用確保と活性化を目的として、数年前より介護事業やリサイクル事業といった新規事業の導入を進めているが、今回の紙発泡緩衝材の事業も、同様の位置づけで積極的に取り組んでいく計画だ。 (2003.6.19)

 

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