農業協同組合新聞 JACOM
   
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農薬海外事業の行動規範指針 「FAOコード」を全面支持
《世界農薬工業連盟》


 世界農薬工業連盟(CLI、会長:マイケル・プラグネル シンジェンタCEO、在ベルギー)は3月3日、2002年に改正された「FAO農薬の流通および使用に関する国際行動規準」(「FAOコード」)を全面的に支持し、これを具体化する「手引書」を作成したことを、日本農薬工業会を含む会員団体ネットワークを通じ世界に公表した。
 「FAOコード」とは、農薬に関しいまだ効果的な取締体制が構築されていない開発途上国において、有効な取締体制が今後構築されるまで農薬業界、輸出国政府、輸入国政府、関係国際機関などの行動指針として採択されたFAO勧告。あくまでも任意的なものだが、農薬輸出企業をはじめ関係者にその遵守が要請されている。
 本コードは、関係国政府、農薬企業その他すべての関係者の責任を規定することで、農薬有効利用の推進をはかるいっぽう、農薬の不適切な流通・使用による危被害防止を主な目的としている。
 CLIは、2002年のヨハネスブルグサミット(国連環境・開発会議)で持続的農業開発の推進が再確認されたことや、「FAOコード」がNGO(非政府機関)および関連国際機関などを交えた政府間協議で改正されたことをふまえ、さらに責任ある企業活動と姿勢を前面に打ち出すことにした。チェックリストを網羅した「FAOコードの実施に関する手引き」も作成し、1000社を超える加盟企業への配布をはじめた。

 日本農薬工業会は、2003年から輸入国規制のコンプライアンスや海外で農薬事業を展開する際に遵守すべき「農薬の海外事業に関する行動規範指針」の作成に取り組んできたが、これを機会にさらに一歩進め「FAOコード」も取り入れた「国内・海外両方の事業を対象とした行動規範指針」の作成へと範囲を広げる検討をしており、年内には完成する。
 今回の取り組みのポイントは、CLIで改正された「FAOコード」をもとに、加盟各社が開発途上国における農薬の安全使用指導をより一層強化することを求めたところにある。現在、世界の農薬需要は約3兆円弱と見られるが、CLI加盟企業1000社で90%のシェアにおよんでいる。
世界の農薬企業の売上高(2002年、単位:100万ドル)

(2004.3.12)


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