|    動向が注目されていた三共(株)(庄田隆社長)のアグロ(農薬)部門に1つの動きが見られた。2005年4月1日をもって関連子会社を再編するもであり、「生き残りを賭けた戦略を明らかにしたものだが、これは第1段階にすぎない」(業界評)とも言われている。 
         再編は、5月14日、三共(株)が発表したもので、連結子会社の三共アグロ(株)(窪田隆一社長、本社:東京都文京区)ならびに三共アグロ(株)の子会社である九州三共(株)(松本禎郎社長、本社:佐賀県鳥栖市)、宇都宮化成工業(株)(清山高正社長、本社:栃木県宇都宮市)および(株)三共緑化(高成俊行社長、本社:東京都千代田区)において、重複業務の集約化や営業統合による収益拡大を目的に、再編に踏み切るもの。 
         内容は、三共アグロ(株)および九州三共(株)の研究・開発・販売部門を三共アグロ(株)に、宇都宮化成工業(株)、九州三共(株)の製造部門および三共アグロ(株)の生産管理部門を製造新会社(存続会社は宇都宮化成工業(株))に、さらに、九州三共(株)の緑化部門(園芸・造園・緑化事業など)を(株)三共緑化に、それぞれ一本化するもの。 
         三共アグロ(株)および前身である三共(株)農薬事業の強みは、キメ細かで、精力的な対応を通し有力農薬卸商を育ててきたことだ。この認識に、他の商系メーカーも異存はないだろう。こうした事業姿勢をさらに発展させる第2段階がのぞまれる。なお、今回の再編には北海三共(株)は入っていない。 
      
      (2004.5.17) 
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