農業協同組合新聞 JACOM
   
アグリビジネス業界ニュース

授粉用マルハナバチに参入 東海物産と販売で業務提携
《シンジェンタ ジャパン》


 シンジェンタ ジャパン(株)(マイケル ケスター社長、本社:東京都中央区)は26日、授粉用マルハナバチ『ハニートーン』を8月1日より市場投入していくことを明らかにした。
 『ハニートーン』は、バイオベスト社(本社:ベルギー)が製造し、東海物産(株)(青木邦夫社長、本社:三重県四日市市)が日本国内で1992(平成4)年より輸入販売を開始した授粉用マルハナバチ。同製品は、国内のナス、トマトなどの施設栽培野菜で広く使用されている。
 今後、シンジェンタ ジャパン(株)は東海物産(株)より同製品の供給を受け、全国のシンジェンタ特約店に対し販売を行い、東海物産(株)は従来通り自社ルートでの販売を継続する。「この分野のシェア拡大をはかりたい東海物産と、生物農薬のいっそうの拡大をはかりたかったシンジェンタの思惑が一致したもの」と業界では見る向きもある。
 東海物産(株)は、この分野に積極的に取り組み、現在の取り扱いは約10000コロニー(約3億円)と見られる(本紙推定)。この分野は「特定外来生物被害防止法」において、生態系保護の観点から使用の規制があるが、環境省は現在、生産者の声を集約しながら規制緩和に向けた省令を作る作業に入っていることなどから、この分野での販売指導力強化の必要性は高く、東海物産(株)は裾野の拡大とともにシェアの拡大をはかりたかった。
 一方、シンジェンタ ジャパン(株)は、『ツヤコバチEF30』、『ヒメコバチDI』、『コマユバチDS』、『カブリダニPP』、『アブラバチAC』など天敵昆虫では豊富な経験と高い実績を積んでおり、生物農薬というIPM(総合的病害虫管理)全体を充実させるためにも、授粉昆虫に進出する必要があった。
 〈シンジェンタ ジャパン(株)CP営業本部 技術普及部の話〉 今後、授粉用マルハナバチの市場が拡大するものと思われるが、そのためにも今まで以上に適正な指導と適正な使用が重要となってくる。2社による現場に即した指導・普及を相乗的に強化していくことを目指したい。
(2004.7.27)


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