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IPM防除体系の中核剤に『プレオフロアブル』を上市
《住友化学》


待望のプレオフロアブル
待望のプレオフロアブル

 住友化学工業(株)は9日、東京本社において記者会見を行い新規野菜用殺虫剤『プレオフロアブル』について、同日付けで市場投入したことを明らかにした。
 本剤は鱗翅目害虫、総翅目害虫に優れた防除効果を発揮するとともに、IPM(総合的病害虫管理)防除体系に組み込むことができることから大きな期待が寄せられている。「本剤の特長を生かしながら、野菜用殺虫剤の基幹剤として大きく育てるべく、今後の普及推進に邁進していく」(岡本敬彦アグロ事業部長)。
 8月6日付けで農薬登録を取得(農林水産省登録第21333号)した『プレオフロアブル』(有効成分:ピリダリル)は、野菜の難防除害虫でその生産に重大な被害を与えるコナガ、オオタバコガ、ヨトウムシ類などの鱗翅目害虫やミナミキイロアザミウマなどの総翅目害虫に対して優れた防除効果を示す。
 いっぽう、同社では消費者の志向に沿う減化学農薬栽培の手段として注目を集めているIPMにかねてより注力し、BT剤や天敵農薬などのIPM適合薬剤の開発を進めている。
 本剤は、人畜や魚類に対する安全性が高いことはもちろん、寄生蜂類、ハナカメムシ類、テントウムシ類、カブリダニ類などの天敵や、ミツバチ、マルハナバチなどの花粉媒介昆虫に影響が少ないことが確認されていることから、IPM適合剤として注目される。すでに市販されているBT剤や天敵農薬と組み合わせた効果的なIPM防除体系の実現は魅力だ。
 同社は、今回の『プレオフロアブル』の市場投入により、野菜分野でのラインナップもいっそう充実させることになる。販売は、商系が住友化学工業(株)、系統が北海三共(株)(販売地域:北海道)、八洲化学工業(株)(四国を含む本州)、サンケイ化学(株)(九州)となっている。
 製造は、原体を田岡化学工業(株)本社工場(大阪市)、バルクを住友化学工業(株)大分工場(大分市)、小分けを住化アグロ製造(株)(広島県庄原市)がそれぞれ行う。
 鱗翅目害虫の防除面積は約23万ヘクタールにのぼるが(野菜全体では約65万ヘクタール)、同社では他剤との体系防除を普及・指導、ブロッコリー、大豆などへの適用拡大をはかるなか3〜4年後の普及面積を約5万ヘクタール(約22%)としている。10アール当たり価格(200cc)は、1700〜1900円。海外展開も米国、アジア諸国を中心に展開され約100億円規模の市場に成長させたい考えだ。
 【八洲化学工業(株)営業本部の話】(取扱会社を代表し談話を頂いた)

あいさつする岡本事業部長
あいさつする岡本事業部長

 新規野菜用殺虫剤『プレオフロアブル』は、既存の有機リン剤、カーバメート剤、合成ピレスロイド剤、IGR剤などとは全く異なる新しいタイプの殺虫剤です。
 鱗翅目害虫や総翅目害虫に対して優れた防除効果を発揮するとともに、天敵や有用昆虫に対する影響が少なく環境にやさしいといった特徴を生かしてIPM(総合的病害虫管理)防除体系にも組み込むことができ、住友化学さんを中心に取扱会社一丸となり本剤の普及、指導に取り組んでまいります。
 当社はご案内の通り、11月1日より全農さん、住友化学さん、住化武田農薬さんのご支援をたまわり、新会社「協友アグリ(株)」としてスタートいたします。
 新会社は、受託防除、フェロモン・生物農薬、園芸分野の充実・強化などを核に新たな事業展開を目指していますが、本剤はIPM防除体系にも組み込むことができ、新会社の目指す路線にマッチしていることからも、技術・普及を中心に積極的な展開をはかっていきたいと思いますので、皆様のご指導、ご支援を何卒宜しくお願いいたします。

国内農薬の分野別シェア(2003年)
国内農薬の分野別シェア(2003年)
国内農薬売上高の推移(単位:億円)
国内農薬売上高の推移(単位:億円)
(2004.8.11)



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