農業協同組合新聞 JACOM
   
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「生」「手造り」などみそ表示に基準


 全国のみそメーカー1268社で構成する全国味噌業公正取引協議会はこのほど、公正取引委員会に対し「みその表示に関する公正競争規約」及び「同施行規則」に関する申請書を提出し、5月11日付で承認された。 「みその表示に関する公正競争規約」は、不当景品類及び不当表示防止法第10条第1項の規定に基づき、みその取引について行う表示に関する事項を定めることで、一般消費者の適正な商品選択を助け、不当な顧客の誘導を防止し、公正な競争を確保することを目的に定められた。
 この規約では、これまで各メーカーがみその特徴などを強調するために、独自に使用していた「生」「天然醸造」「手造り」等の特定用語についての使用基準が定められた。また、「無添加」等の表示禁止用語も、一定の基準を満たすことによって使用可能としている。これらにより、商品特性等に関して誤解を生むような表現を回避し、消費者が商品選択の際に混乱を避けることができるものと期待される。また、この公正競争規約制定に伴い、整合性を図るため「みそ業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」及び「同施行規則」に関しても変更が承認された。
 問い合わせは、みそ健康づくり委員会(TEL03-5565-6461)まで。

【代表的な規約内容のポイント】
○商品特徴を理解するときに参考となるラベル等に表示される特定用語(「生」「天然醸造」「手造り」「特選・特撰」「吟醸」「長期熟成・長熟」「だし入りみそ」「1年みそ、2年みそ」など)の使用基準を明確にし、メーカーが同一の考え方のもと表示することができる。

○原材料である大豆が、生産・流通段階を通じて遺伝子組み換え大豆が混入しないように、各段階で適切に管理された非遺伝子組み換え大豆であることを証明する書類が完備されていれば、「遺伝子組み換え」の表示は不要。

○アレルギー物質を含む食品に関する表示については、現行通り食品衛生法施行規則に基づき表示を行う(「小麦」「そば」「卵」「乳」「落花生」の5品目を含む場合は必須表示)。

○特定の栄養成分の含有量に関する表示に基準を設定。「塩分控えめ」「うす塩」「あさ塩」など、食塩含有量が少ない旨を表示する場合は、同種の標準的なみそに比べて、含有量が15%以上低減したもののみ表示が可能。その場合、比較対照食品名、低減割合などのほかに、エネルギー、タンパク質などの栄養表示をする。

○商品名に「信州みそ」「仙台みそ」「江戸みそ」など、特定の地域名を表示する場合、以下の条件の一つ以上を満たす必要がある。
・当該地域に産する原材料(大豆及び米、麦等の穀類)のみを使用し、その地域で生産、加工及び包装されたもの。
・当該地域で古くから広く認知された特徴を備え、その地域で生産、加工及び包装されたもの。
・当該地域の事業協同組合等が所有する商標権により、同組合員が製造するもの。

(2004.5.14)


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