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北海道農業の未来を考えるでシンポ
《先端技術産業振興センターなど》

北海道農業には躍動感がある
北海道農業には躍動感がある

 公開シンポジウム『北海道農業の未来を考える』(主催:(社)農林水産先端技術産業振興センターなど8組織)が9月5日、札幌市中央区の北海道浅井学園大学北方圏学術情報センター・ポルトホールで開催され、地元の高校生、生産者、消費者など約300名が参加した。
 冒頭、主催者を代表し挨拶に立った(社)農林水産先端技術産業振興センターの畑中孝晴理事長は、道内米生産量の約60%を占める「きらら397」、小麦、酪農などに代表される北海道の高い農業技術を評価するなか「技術開発はスピードが速く農業も例外ではない。生産者も消費者もこの躍進する技術を享受すべき」と語った。
北野大教授
北野大教授
畑中孝晴理事長
畑中孝晴理事長
 今回のシンポジウムは、新たな農業技術の持つ可能性を探ったもので、メインナビゲーターを北野大(まさる)淑徳大学教授・工学博士がつとめた。司会は、タレントの小泉笑美子さん。第1部では、北野さんと農業を目指す高校生らが北海道農業の将来、夢について意見を交わし、第2部では、技術研究者、生産者、消費者の3者が北海道における新しい農業技術を探った。
 第1部に参加したのは、名寄農業、旭川工業、旭川東栄の3高校の生徒計6名。名寄農業の生徒は「生産者の顔と名前がわかり、消費者との距離を縮めた農畜産物を作りたい」、「牛に愛情をもって接し、愛情のこもった牛乳を消費者に届けたい」などの夢を語り、北野さんからも会場からも「しっかりした考えをもった彼らを応援したい」と激励があった。旭川の高校生からも、「将来をきちっと見据えていることに拍手を送りたい」とのエールが送られたほか、「北海道ブランドになるようなものを作って」など期待をこめた意見もでた。
 第2部には、大澤勝次(農学博士)、田部井豊(同)、冨田泰雄(冨田ファーム)、宮井能雅(西南農場)、日和佐信子(雪印乳業)、花田聖子(食研究アドバイザー)の各氏が出席。高校生、会場と一緒になり北海道農業の発展に何が必要なのかを議論した。「北海道農業は、単に農業だけの問題ではなく、北海道経済全体に関わることであり、この認識のもとに新しい技術を考えていくべき」と北野さんは結んだ。
 今回のシンポジウムについて、主催者の1員であるバイテク情報普及会では「日本の食糧基地として北海道農業に躍動感がある。農業高校生の真剣で夢のある意見や生産者のさまざまな取り組みのなかで、組み換えなどの新技術の必要性を議論できたことは大変有意義だった。新しい技術を取り入れ北海道ブランドとなるようなものを是非期待したい」と語っている。

(2004.9.9)


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