農業協同組合新聞 JACOM
   
アグリビジネス業界ニュース

糞尿処理・堆肥化など畜産関連3機種を公開
《生研センター》

開発機を公開説明
開発機を公開説明
 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター(生研センター)では、10月13日、さいたま市北区の生研センター「花の木ホール」で、緊急課題となっている畜産の糞尿処理・堆肥化促進関連3機種を公開し、その概要を説明した。
 公開されたのは、次世代農業機械等緊急開発事業開発機として取り上げられた畜産関連の◎高精度固液分離装置、◎品質管理型たい肥自動混合・かくはん装置、◎自然エネルギー活用型高品質たい肥化装置の3機種。
 いずれも低コストで高品質な堆肥を、短期間で確実に生産できる装置の製造を開発のコンセプトとしたもので、<高精度固液分離装置>は、(株)クボタが委託研究を実施し開発に協力した。
 この装置には、次のような利用メリットがある。
 ○乳牛舎などから排出される高水分の糞尿を、そのまま堆肥化が可能な固形分と液状分に分離。面倒な水分調整作業や副資材が不要。
 ○小石、釘などの異物混入によるスクリーンの破損がない。従ってスクリーン交換の頻度が低減し、メンテナンスコストを減少させたなど。本体価格は300万円程度になる見込みだ。
クボタの高精度個液分離装置
クボタの高精度個液分離装置
 <品質管理型たい肥自動混合・かくはん装置>は、同じく(株)クボタが共同研究を実施し、開発したもの。この装置の利用メリットは次の通り。
 ○たい肥化処理の最適化、自動化により、作業者の経験によらず、4週間で確実にたい肥化一次処理を終了。一次処理で有機物分解率30%程度、たい肥材料温度60℃以上を達成し、耕種農家が求める病原菌や雑草種子の死滅した、高品質なたい肥を生産できるなど。 この装置は、搾乳牛100頭以上の大規模農家や共同利用たい肥化施設などが対象となる。新農業機械実用化促進(株)による実用化促進事業を経て、平成17年度に販売を始める予定だ。
 <自然エネルギー活用型高品質たい肥化装置>は、松下エコシステムズ(株)が委託研究を実施した。
 この装置は、一次処理で有機物分解率30%程度、たい肥材料温度60℃以上を達成し、耕種農家が求める雑草種子などの死滅した高品質なたい肥を生産。発酵状況に応じて通気を制御する、たい肥化制御システムを装備。自宅や事務所でリアルタイムで発酵状況を確認できる。
 また、環境に優しい太陽光発電で通気用電力を供給するなどの特長がある。この装置も前述の装置同様の手順を経て、17年度に販売を予定している。
(2004.10.20)


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