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デラウスパダン 上々の滑り出し
−武田薬品−


 今春に農薬登録を取得し、登録と同時に上市となった水稲初期害虫といもち病の同時防除箱処理剤『デラウスパダン粒剤』(製品名)は、極めて安定した防除効果を発揮するなど、その兼ね備えている数多くの特長から、上々の滑り出しを見せたようだ。

 本剤は、水稲の重要病害である「いもち病」と同じく水稲の重要初期害虫の「イネドロオイムシ・イネミズゾウムシ」の同時防除を目的として開発された薬剤で、住友化学工業(株)の長期持続型の新規いもち剤デラウス(有効成分名=ジクロシメット)と武田薬品工業(株)の水稲初期害虫に卓越した効果を示し、かつ経済的に魅力のあるパダン(同=カルタップ塩酸塩)を混合した水稲育苗箱処理用粒剤。

 2つの有効成分のうち、先ずジクロシメットは、新しいタイプの有機合成殺菌剤で、いもち病菌のメラニン生合成を強く阻害し、また胞子形成も阻害することで高い防除効果を発揮する。さらに、イネの品種やいもち病菌のレースの違いによる効力変動はほとんどない。

 一方、カルタップ塩酸塩は、従来の有機リン・カーバメート・合成ピレスロイド剤などが昆虫神経の異常興奮誘起型であるのに対し、興奮抑制的な作用により、高い効果を発揮する。これにより、既存薬剤に感受性が低下したイネドロオイムシに対しても極めて有効だ。その他、イネミズゾウムシに対して産卵抑制作用・殺幼虫作用を発揮し、被害防止と密度抑制に効果的である。

 上々の滑り出しを見せた『デラウスパダン粒剤』。本年度は、来年度からの本格販売に向けての試験販売であったが、同社では確かな手応えを得た模様。今後は、ニカメイチュウへの適用拡大と床土混和処理への適用拡大も予定されており、大きな期待が寄せられている。

 

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