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新規有効成分フェントラザミドの混合剤を市場投入
水稲用除草剤市場でのポジションを強化・拡充
日本バイエルアグロケム

 日本バイエルアグロケム(株)(ローレンス・ユー社長、本社:東京都港区高輪4ー10ー8)は平成13年2月15日を皮切りに、新規有効成分フェントラザミドの混合剤を発売し、水稲用除草剤分野での同社のポジションの強化・拡充を図っていく。

 フェントラザミドは、大型除草成分に成長し生産者農家に好評を博しているメフェナセットに続いて、バイエルが開発した水稲用除草剤分野における新規有効成分であり、混合剤として将来的には少なくとも市場の25%のシェアを狙っていく意向。
 現在、この水稲用一発処理除草剤市場は、約180万ヘクタールの普及面積となっており、同社ではピーク時の5年後に40〜50万ヘクタールの市場を確保したい考えだ。本紙では、4製品9アイテムの中で、特に「イノーバ」及びその散粒機「イノベーター」の展開に注目したい。

 フェントラザミドは、日本バイエルアグロケム(株)によって開発された、ノビエをはじめとする一年生雑草に対して長期間にわたって高い効果を発揮する新規の有効成分。この水稲用除草剤は、稲に対する安全性が高いことも大きな特長の1つとなっている。
 他成分との混合によってさらに広範囲の雑草を防除できる一発剤となり、剤型としては粒剤、フロアブル、ジャンボ、顆粒水和剤の4剤型が準備されている。また、フェントラザミドはその含有率により、田植え同時からノビエ2葉期まで使用できる初期一発処理剤と、ノビエ2・5葉期まで有効な初中期一発処理剤がある。

 先行しているのは、「イノーバ」(商品名)1キロ粒剤及びフロアブルで、フェントラザミドと米国デュポン社開発のベンスルフロンメチルとの混合剤。ベンスルフロンメチルは既に広く普及している水稲用除草剤の有効成分であり、低薬量で多年生及び一年生広葉雑草に卓越した効果を示す。
 この混合によって、「イノーバ」は一年生雑草から多年生雑草にわたる広範囲の水田雑草を確実に防除することができる。また、「イノーバ」は新しく開発された散粒機「イノベーター」(商品名)や既存の田植え同時散粒機を用いて田植え同時処理が可能であり、生産者農家の散布作業の省力化を実現する。
 さらに、同剤は移植後の一発処理剤としても使用できる。この2つの使用法を可能にしているのは「イノーバ」の稲に対する高い安全性と長期間にわたる優れた残効性にある。「イノーバ」の販売は商系で日本バイエルアグロケム(株)、系統ではクミアイ化学工業(株)と北海三共(株)が行う。

 次に、日産化学工業(株)の開発した有効成分ピラゾスルフロンエチルとフェントラザミドとの2種混合剤である「ダブルスター」(商品名)は1キロ粒剤、ジャンボ及び顆粒水和剤の3剤型を持つ。「ダブルスター」は安定した効果と稲に対する高い安全性を備えた一発処理剤であり、販売は粒剤とジャンボを日産化学工業(株)と日本バイエルアグロケム(株)が、顆粒水和剤を日産化学工業(株)が行う。

 また、武田薬品工業(株)が開発したイマゾスルフロンとフェントラザミドとの混合剤としては、「リーディング」(商品名)ジャンボ、および「ドニチ」(商品名)1キロ粒剤がある。同剤もまた優れた効果と残効性を備えた一発処理除草剤であり、販売を武田薬品工業(株)が行う。

 病害虫及び雑草の防除回数削減に挑んでいる日本バイエルアグロケム(株)。育苗箱施用の殺虫殺菌剤「ウィンアドマイヤー箱粒剤」(商品名)は、既に日本全国で広く普及している。これに続き、今回発売の水稲用除草剤「イノーバ」で田植え同時処理が実現することにより、〃育苗箱から田植え時までの処理〃で水稲の主要病害虫及び雑草の防除を実現した。今後、「農作業の省力化にさらに貢献できる」として、同社では大きな期待を寄せている。


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