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新規の園芸用殺菌剤
ランマンフロアブルを上市
― 石原バイオサイエンス ―

ランマンフロアブル

ランマンフロアブル

 石原産業(株)(溝井正彦社長=大阪市西区江戸堀1-3-15)は4月26日、自社開発した新規園芸用殺菌剤『ランマンフロアブル』の農薬登録を取得した。べと病・疫病など藻菌類防除剤として期待されるもので、この5月より販売会社である石原バイオサイエンス(株)市場展開していく。
 新規べと病・疫病専用殺菌剤『ランマンフロアブル』(一般名=シアゾファミド、開発番号=IKF−916)は、藻菌類病害の全ての生育ステージを低濃度で阻害するとともに、優れた遊走子のう形成阻害効果により、次世代の感染源密度を低減させ、予防効果を超えた優れた防除効果を発揮するのが最大の特長。
 また、適用作物は勿論のこと適用外作物にも薬害の懸念が極めて少ない薬剤に仕上がっていること、他剤と異なる新規な作用機作であるため「交差耐性」の可能性が極めて少ないこと、他剤との混用範囲が極めて広くより適用性が広いこと、などが特長として挙げられる。
 適用作物と適用病害は、表の通り、きゅうり、メロンのべと病、トマト、ばれいしょの疫病、ぶどうのべと病となっているが、今後、当面の登録拡大作物・病害として、はくさい、たまねぎのべと病、はくさい、キャベツの根こぶ病、ピーマンの疫病、すいかの褐色腐敗病などが予定されている。
 この5月から市場展開される『ランマンフロアブル』の流通チャネルを見ると、北海三共(株)が北海道の系統一元、石原バイオサイエンス(株)が北海道、本州、中・四国、九州の系統・商系の二元となっている。特に、ばれいしょの疫病防除では、同じく自社開発したフルアジナム(一般名)とともに、シーズンを通して体系防除を推奨していく模様。市場性としては、適用作物・病害の拡大後に、全国で、当面約10億円を目標として推進していく。
 一方、国内展開に先立ち海外でも3月以降、英国、韓国で農薬登録を取得済みであり、近く中国でも登録予定の他、今後、早ければ年内にフランス、ドイツ、オランダなどばれいしょの作付け面積が大きい欧州、次いで2003年第1四半期にもアメリカでの農薬登録が予定されている。
 海外の販売展開は、アジアとオセアニア、アルゼンチンを石原産業(株)が、その他の市場を2000年春に提携した独・BASF社を通じて展開する体制をとり、海外では原則として「ランマン」の商品名となる。グローバル展開の中で、ピーク時に年商70億円を見込んでいる。
石原産業(株)の農薬事業は、酸化チタンとともにコア事業に位置付けられ、国内市場が縮小傾向にあるなかで、自社品を中心に比較的順調に推移し、業界ランキングもトップファイブ前後に上昇している。今回の「シアゾファミド」は、2003年を目標としたアブラムシ剤「IKI−220」(開発番号)とともに、同社農薬事業に求心力を呼ぶのは必至だ。

●適用作物と使用方法

作物名

適用病害虫

希釈倍数

散布液量
L/10a

使用時期

使用回数*

使用方法

総使用回数**

きゅうり べと病 1,000〜

2,000倍

150〜300

収穫前日迄 4回以内

散布

4回以内

メロン
トマト 疫病
馬鈴薯

100〜300

収穫7日前
ぶどう べと病

200〜700

収穫14日前 3回以内

3回以内

*ランマンフロアブルの使用回数、**シアゾファミドを含む農薬の総使用回数

詳しくは石原バイオサイエンス(株)のページ


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