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バイオテクノロジー用い世界初の「青いバラ」開発
―サントリー―


世界初の青いバラ
世界初の青いバラ
 サントリー(株)(佐治信忠社長、本社:大阪市)はこのほど、フロリジン社(芦刈俊彦社長、本社:オーストラリア・ヴィクトリア州)と共同で、世界で初めてバイオテクノロジーを用いた「青いバラ」の開発に成功したと発表した。同社のチャレンジ精神が生かされた。
 5000年前から栽培されているバラ。現在までに2万5000種以上作り出され、色は赤・白・ピンク・黄色など多彩だが、「青いバラ」の育種は「不可能の代名詞」ともいわれるほど厚く高い壁があった。市場に青系と呼ばれるバラはあるが、青色色素に由来するバラは存在していなかった。

フォットセッションに臨む佐治社長(右から2人目)
フォットセッションに臨む佐治社長(右から2人目)
 同社が開発に着手したのは、1990(平成2)年のことであり、15有余年の歳月を経たことになる。パンジーから取り出した青色色素を作る遺伝子を組み込み機能させることで、バラの中で青色色素を作り出し花色の変化を実現させた。「花弁に青色色素のデルフィニジンをほぼ100%含有しているため、今までにはない青さのバラが誕生した」(佐治社長)という。商品化は、2年半から3年後になりそうだ。  
なお、フロリジン社は、1986(昭和61)年に創業したオーストラリアのバイオベンチャー企業。前身はカルジーンパシフィック社。バイオテクノロジー技術による植物の新品種開発を手掛け、特に花色の調節に関する研究では世界でもトップレベルにある。2003(平成15)年12月、サントリー(株)が同社の株式を買収した。 (2004.7.12)

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