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肥料価格交渉 ヤマ場に
   −6月中旬に決着−(6/2)


 JA全農は今月中旬の決着に向けて各メーカーと2000肥料年度(7月〜2001年6月)の価格交渉を進めている。

 メーカー各社は、高騰している原油価格や稼働率の低下による固定費アップなどの値上がり要因を価格に反映するよう強く求めている。また合理化は限界であり、事業を続けるためには再生産可能な価格にすべきであるとしている。
 これに対し、全農は需要に見合った生産構造に向けた業界の再編・合理化を強く主張している。
 減反や良食味米指向、また環境問題などによる施肥量の減少から肥料需要は大きく落ち込み、メーカーの工場稼働率は極めて低い。大手総合化学メーカーの肥料部門はすべて赤字経営であり、部門別収支が重視される連結決算時代を迎え、事業環境は一段と厳しさを増している。

 昨年7月には三菱化学四日市工場が肥料プラントを休止し、他社に製造を委託。また三井東圧肥料千葉工場は今年6月、旭化成延岡工場は来年3月に同じ措置を予定している。

 今後も肥料需要は減少するとみられ、メーカー各社は系列や企業グループの枠を超えた生産拠点の集約に迫られている。JAグループとしてはコスト競争力や技術開発力のあるメーカーへの再編が進むよう流通面から適切な対応を図って行く必要があるとしている。

 全農がまとめた主な肥料原料の動向は次の通り。
 ナフサ価格も原油に連動して上昇▽リン鉱石の需給バランスは堅調で推移▽塩化カリの価格は上昇基調▽海上運賃の市況は引き続き強含みで推移▽外国為替の今後の動きは不透明。

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 JA全農はヨルダン肥料「アラジン」の普及に一段と力を入れる。
 1999年肥料年度のアラジン出荷は約10万トンで、前年より139%伸びる見通しだ。大多数の県で伸びているが、一部の県では前年度を下回った。

 ヨルダンでの現地生産は極めて順調で99年度は、生産能力の30万トン を上回る生産実績となった(原料用リン安を含む)。品質的にも安定してきており、今春肥シーズンは品質クレームが報告されていない。
  今後はアカバ工場での高稼働を維持し、低い製造コストを確保するとともに国内での物流経費を下げるために、さらに出荷拡大が必要とされる。

 アラジンの普及率は地域間格差が大きい。このためアラジンが定着していない県への本格的導入と、また普及率の低い地域での需要の掘り起こしに努め、普及率を全国ベースで10%程度にまで高めるのが課題だ。


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