長期間減少傾向にあった米の1人１月あたりの消費量が、今年4月分ではわずかだが増加に転じた。
　6月19日に公表された12年4月分の調査結果によると、消費世帯の一人あたりの米消費量は対前年比で0.9ポイント増の5089グラム。生産世帯では、2.5ポイント減の6503グラムだったが、全世帯では対前年比0.4ポイント増の5211グラムとなった。

　全世帯の統計で対前年比プラスを記録したのは、平成8年3月。それ以降、減少を続けてきたが、今回実に49か月ぶりにプラスに転じたことになる。

　増加した要因については、１か月間だけの数字のため慎重な検討が必要だが、同日開かれた「米の需給・価格情報に関する委員会」では、天候が順調で晴天日数が多く、外食、弁当などの需要が伸び、それにともなって米の消費も伸びたのではないかとの指摘が関係者から出た。
　また、4月のパンの購入量は前年比マイナス2.2％、麺類も前年比マイナス0.3％となっていることから、今村奈良臣・同委員会座長は「米との価格比も含めて検討しなければならないが、次回以降も増加となれば米の消費傾向にとっては注目すべきこと。ここしばらく様子をみたい」と関心を寄せている。

　ただし、生産世帯ではマイナス2.5ポイントと大きく減少していることから、農村部での米消費動向も注目される。