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前年比8%増加−−12年産4麦の収穫量・農水省公表 (8/25)


 農水省は8月25日、平成12年産4麦の都道府県収穫量を公表した。4麦(小麦、二条大麦、六条大麦及び裸麦)の収穫量は51万6,700トンで、前年産に比べ3万8,200トン(8%)増加した。「水田を中心とした土地利用型農業活性化対策」推進を背景とした作付け等の増加で4麦計の作付け面積が前年比7,900ヘクタール(6%)増えたことに加えて、東北、関東・東山の一部地域を除き、生育及び収穫機関を通じておおむね天候に恵まれたことから小麦、二条大麦及び裸麦の10アール当たり収量が前年産に比べてそれぞれ6キログラム(2%)、8キログラム(2%)、17キログラム(4%)上回ったため。概要は次のとおり。

区分 作付面積(h) 収量 (kg) 収穫量(t) 対前年比(%)
4麦計 130,700 516,700 108
うち小麦 79,900 388 310,100 110
二条大麦 34,000 430 146,200 104
六条大麦 11,400 336 38,300 110
裸麦 5,400 409 22,100 111

1.作柄の概況

 @小 麦−−は種期は関東及び九州のそれぞれ一部で前作の大豆の収穫の遅れ等により3〜4日程度遅れたものの、その他の地域ではおおむね天候に恵まれ平年並みとなった。
 発芽は、東北の一部で、は種期の降雨により排水不良田での発芽不良等が見られたものの、おおむね天候に恵まれたことから平年並みからやや良となった。
 生育は、は種期以降1月にかけておおむね天候に恵まれ分げつの発生が順調となったものの、2月から3月にかけて全国的に低温傾向であったことに加え、東北では融雪の遅れにより春先の生育が抑制された。

 出穂期は、生育の遅れにより平年並みから5日程度遅れた。穂数は、東北の一部を除いて分げつの発生が順調となったことから、「やや多い」から多くなった。
 登熟は、おおむね天候に恵まれ、西日本を中心に「やや良」から良となった。

 なお、梅雨入り後の降雨により関東の一部地域で湿害が発生したことから「やや不良」となったものの、その他の地域ではおおむね天候に恵まれ「平年並み」から「良」となったことから、都府県平均では作況指数114の「良」となった。

 A二条大麦−−は種期は、おおむね天候に恵まれたことから平年並みとなり、発芽も平年並みからやや良となった。
 生育は、は種期以降天候に恵まれ分げつの発生は順調となり、2月が低温傾向であったことから一時抑制されたものの、3月以降温暖で経過し順調となった。 出穂期は、おおむね平年並みとなった。登熟は、出穂期以降はおおむね天候に恵まれ平年並みから良となった。
 作柄は、全国的に生育期間を通じておおむね天候に恵まれたことから、都府県平均では作況指数117の「良」となった。

 B六条大麦−−は種期は、東北の一部で10月下旬の降雨により8日程度遅れたものの、その他の地域ではおおむね天候に恵まれ平年並みから6日程度早くなった。
 発芽は、東北の一部で排水不良田の発芽不良が見られたものの、おおむね平年並みからやや良となった。
 生育は、発芽期以降おおむね天候に恵まれ分げつの発生は順調となったものの、2月から3月にかけて低温傾向であったことに加え、東北では融雪の遅れにより春先の生育が抑制された。

 出穂期は、東北及び北陸のそれぞれ一部を除いて分げつの発生が順調となったことから平年並みからやや多くなった。  登熟は、東北で5月上・中旬の日照不足、下旬以降の急激な高温等の影響で枯れ熟れ傾向となり、粒の肥大・充実が抑制されたことからやや不良となったものの、その他の地域ではおおむね天候に恵まれ平年並みから良となった。

 なお、収穫直前の降雨により栃木県で種発芽等による被害が発生した。
 作柄は、東北、関東・東山では「不良」となったものの、北陸ではおおむね天候に恵まれ「良」となったことから、都府県平均では作況指数100の「平年並み」となった。

 C裸 麦−−は種期は、天候に恵まれおおむね平年並みとなり、発芽は平年並みからやや良となった。
 生育は、は種期以降おおむね天候に恵まれ分げつの発生は順調となり、2月中・下旬が低温傾向であったことから一時抑制されたものの、3月以降はおおむね温暖に経過し回復した。
 出穂期は平年並みから6日程度早まった。穂数は、分げつの発生も順調となったことから、「やや多い」から多くなった。
 登熟は、出穂以降も天候に恵まれ粒の肥大・充実が良好であったことから良となった。作柄は、四国及び九州で天候に恵まれ「良」となったことから、都府県平均では作況指数117の「良」となった。

2.被害の概要

 @小 麦−−主産県の被害量は2万7,100トン。被害率は10.1%で平年を5.9ポイント下回った。被害量の内訳は、気象被害が2万2,000トンで被害量全体の81.2%を占めており、主な被害は風水害及び湿害である。

 A二条大麦−−主産県の被害量は8,380トン。被害率は6.8%で平年を7.6ポイント下回った。被害量の内訳は、気象被害が7,350トンで被害全体の87.7%を占め、主な被害は風水害及び湿害である。

 B六条大麦−−主産県における被害量は5,450トン。被害率は16.7%となり、平年を0.4ポイント下回った。被害量の内訳は、気象被害が5,070トンで被害全体の93.0%。主な被害は風水害及び湿害である。

 C裸 麦−−主産県の被害量は1,280トン。被害率は6.9%で平年を5.6ポイント下回った。被害量の内訳は、気象被害が1,110トンで被害全体の86.7%。主な被害は湿害である。

   (注)主産県とは、平成11年産の作付け面積が500ヘクタール以上の府県。




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