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「学校給食田」提供やコメ商品開発などを話し合う
  JA全農がコメ消費拡大で経済連などと意見交換 (11/17)

経済連・県農協・県本部
・米消費拡大担当部長会議=JAビルで


 行政やJA全中と一緒にコメ消費拡大運動を進めるだけでなく、コメ販売を担う経済事業の立場からも主体的に需要を広げようとJA全農は17日、各経済連・県本部などの担当部長によ消費・需要拡大会議を開いた。経済連ベースでのこうした会議は始めてで約60人が参加。今後、学校給食での米飯食拡大や、簡便性と機能性をターゲットにした商品開発などを一層強化しようと申し合わせた。

 すでに都道府県ごとに様々な取り組みがあるが、担当部長からは▽全国一斉に日本型食生活をアピールする行動日を設定できないものか▽継続的なキャンペーンが必要▽農家にわかりやすい運動が求められるなどの意見が活発に出た。
 全農からは、JAグループとして「学校田」を各校に提供し、給食と体験学習が結びつくようにしてはどうかと提起。今後、各地域の学校給食協議会などで話し合っていく課題とした。
 またコメを原材料にした商品開発では、JAや経済連が自己完結型で進めるだけでなく、地域のメーカーをパートナーとして幅広い形で商品づくりをしていく方向などを話し合った。

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 「もっとたくさんご飯を食べて」と訴えるだけでなく、実際に食べてもらう仕組みや、魅力的なコメ加工品を開発しようとJA全農はコメ販売を担う立場から需要拡大に乗り出し、17日には経済連、1県農協、全農県本部の担当部長が集まる消費・需要拡大会議で共通認識を固めた。
 ターゲットは若い女性と次世代が基本だ。学校給食のコメ消費量は年間約10万t(玄米)どまりだが、米飯食の習慣を身につけた次世代を年々増やしていくという意義は大きい。

 とりわけ米飯給食の回数が少ない大都市の学校で回数を増やす課題がある。
 会議では、全農食品(株)の久喜営業所(埼玉)が運営している学校給食センターが、地域の伝統食をメニューにとり入れたり、食材の由来や栄養分の特徴など校内放送のテキストを毎日作って各学校に届けるといった情報活動の事例も出た。
 またJAグループとして学校水田を提供できないかという提起もあった。

 日本型食生活の料理ができない母親が増えていることからも学校給食の役割は大きいが、一方、若い母親をターゲットにした対策には簡便性や機能性を追求した商品開発がある。
 すでに様々な商品が出回っており、簡便性では加工米飯の生産量は27万t(平成11年)近い。これは前年比約27%の伸びだ。無洗米の伸びも目覚ましい。
 会議当日には、JAグループが加工や販売をしている商品を陳列し、最近開発した米パンなども並べた。機能性の商品では低アレルゲン米なども紹介した。

 今後は各地のメーカーと共同した開発や販売など多様な仕組みで商品づくりの幅を広げていくことが課題として挙げられた。
 国民一人当たりのコメ消費量が8月には上向きとなり、キャンペーンの効果も現れて朝食市場も活発化しているおりから、この日の会議が足並みをそろえた需要拡大運動のはずみになることが期待される。



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